『ヅカメン!』

雑誌・書籍

宮津大蔵氏の『ヅカメン! お父ちゃんたちの宝塚』を読みましたよ。
面白かったー!

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宝塚に関わる男性を主人公に据えたオムニバス形式の短編集です。
生徒監の「お父ちゃん」、音校受験生の父親、タカラジェンヌの兄、大道具さん、制作担当(生徒の「肩たたき」も仕事の一つであるらしい……)。
彼らの目を通して宝塚の世界が描かれます。

登場する男性陣の目があたたかく、生きざまは熱く、途中何度か泣きそうになりました。
エエ話や……。
ほんっと宝塚って美しい世界でありますことよ。

小説として面白いのですが、それと同時に宝塚に関する知識欲も充たしてくれます。

生徒監のお父ちゃんの仕事に東京公演の引率があるんだけど、生徒に渡した新幹線のチケットはほとんど使われないとか。
(ほとんどの生徒はそのチケットをファンに渡してしまって、別の車両に乗ったり、飛行機で移動したりするらしい)

舞台稽古初日、東京の寮から劇場までははとバスで移動するが、ガイドさんつきであるが観光案内はされないとか。

緊急入院など、生徒になにかあったら、お父ちゃんがお付きの人に連絡するとか。
(ちゃんとお付きの人の連絡先は知ってるものなのね……。非公式の存在だろうに)

どれだけ苦しかろうと笑顔でやらなければならないロケット。
苦しいときは「チ!」「ラ!」「イ!」とやれば笑顔に見える、とか。

どこまで本当の話なのか私には判断がつきかねますが、きっと本当のことなのでしょう。

後書きには葵美哉さん、美郷真也さんのお名前を上げて感謝の言葉を伝えておられます。
それに加えて、宮津さんは真山葉瑠さんのご夫君とのことなので、そこからかなりの情報が得られたことでしょう。

ていうか、「サンバさん」という男役さんが物語上とても重要な役を担っておられますが、ルンパさんがほぼモデルなのかしら。
ファン歴が短いため私はルンパさんのことはほぼ存じ上げませんが、物語に出てくるサンバさんは、身長(公称)164センチ、埼玉県T市出身の脇役の月組上級生男役さんです。
芝居がうまい、熱くて豪快に笑う、気遣いのできる人として描かれています。

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