
ライブ配信で見た月組バウ公演『雨にじむ渤海』。
タカスク配信も買ったけど、以前に書き散らしたものを(まとまってないですが)メモ的に残しておきます。
年齢差
インソン(ぱる)とセウォン(あみ)って外見的には年齢差ないけど、大きな子どもがふたりいるインソンと、自分は結婚がまだで妹も結婚したばかりのセウォンだと、軽く10歳は差がありそう。30代半ばくらいと20代前半くらいかな?
それでいてインソンは「弟」、セウォンは「兄」なのがおいしい。(おいしいと思うのは単なる私のヘキです)
ばるあみだけどあみちゃんからのバックハグなのがいいですな。
「兄」のポジション
インソンにとって「兄」は自分を守って死んだ人。
だからこそ、渤海が沈むとき、王太子を「兄として妹を守れ」となるのだ。
なお、インソンを殺そうとした王妃の兄弟は「弟」である。
セウォンにとっては妹を守る自分自身で、自らの存在のよりどころである。(幼なじみの婚約者はよりどころ足り得ないようだ)
インソン/ぱる
自分のせいで兄を死なせて、権謀術数で常に命を狙われてきたインソン。
人を信じられず自分の身を守るためには人に手を下すことをためらわず、それゆえに懼れられ、その一方で自らの生に終止符を打ちたいと心の奥底で思っている。
登場したときの玉座の腰掛け方がインソンのありようをまざまざとみせた。
斜めにかしぐように座し、睨めつけるような視線を投げる。
臣下を畏怖させる。
それが市井の民・セウォンとの出会いで変わっていくわけだが――。
無言で出ていかないインソン、いい奴。
セウォン/あみ
あみちゃんの「父母がぱるを遣わしてくれたのかな」的なセリフ、過去話とか伏線回収とかあるのかなと思ったけどなかったな。
ていうか、奴婢出身のあみちゃん、なんで剣が強いの。
いくら耶律突欲(るおりあ)が武闘派じゃない設定にしても。
奴婢出身だけど護身用(?)に身を守るすべを習わせてもらえたのかな。
あみちゃん芝居うまいなー。画伯なのを知ってると絵描き設定なのがちと笑える。
あみちゃん寝言芸うまい。
大劇場『ゴールデンリバティ』でも鍛えられてたもんね。
あのときもぱると寝てた……。(言い方)
ウンビン/ののこ
王妃ウンビンの書き込みがしっかりしてる。
ののこはポスターには出てないし、ぱるあみエンドなので不憫っちゃ不憫であるが、これだけしっかり書き込みがされてるヒロインって稀少なほど。
婚礼の夜に襲撃を受けて王・インソンから「一人で逃げよ」と言われるも立ち向かう。
「そなたは強い女だ」との言葉は彼女の拠り所である。
インソンと心通わせることはなくとも、2人の子女をもうけたれっきとした王妃である。
インソンが襲撃されて行方不明になるも、「まだ生死はわからない」と執政ムクチョル(るね)の奸略に乗らず自ら政を取る。
王太子テ・ガンヒョン(和真)を使っての傀儡政権にしようとするムクチョルを退けるためでもあるが、かつてのインソンであればウンビンのふるまいは「玉座を奪おうとした」と越権とも反逆ともとられかねない。
ゆえに自らの命を危険にさらすふるまいではあるが、彼女自身はそれを覚悟の上で、肚を決めて代理を務めていたのである。
これだけきちんと物語や政治に絡んで人生を動かしていくヒロインってすごい。
宝塚ではヒロインは主人公を愛する(心の支えになる)以上の役目のない舞台も少なくない中で、破格といっていいほどの良い役だ。
ヒロインのののこは若いけど、体当たりで演じましたね。
インソンはセウォンとの出会いによって人を信頼することを知り、ゆえにウンビンは身を引くことに。
それもご都合主義に見えないのは、それまでの物語上での積み重ねがあるからだ。
耶律突欲/るおりあ
契丹の王子・耶律突欲にるおりあ。
もうね、出てきた段階で顔が優勝なんですよ……美しいってすごいわ。
というのはさておいて、耶律突欲もなかなか業が深そうで。
1回しか見てないから把握しきれてないけど、父親(ヒロさん)との関係もなかなかに辛そう。
先頭で戦ってナンボの遊牧民族なのに武闘派じゃなくてというだけで居心地が悪い。なんせセウォン・あみちゃんに負けるレベル。
だから知略で渤海を手に入れたら都が燃やされたって、泣ける。
だから歴史書を外交大使ペグ(裴璆)(真弘くん)に書かせようとするんだけど……(で、『月雲の皇子』を思い出すのが月組ファンである)
テピョン/桃ちゃん
桃ちゃんかっこいい。
女スパイなのかな?るおりあの隣で戦います。
片目は眼帯。この眼帯は実はインソンと兄の死に関わるもの。
ヒロインや第2ヒロインだけでなく、こういう役を娘役につけられる平松先生に万歳。
クムラン/りりちゃん
りりちゃんの不憫な女シリーズが更新された。
セウォンの「婚約者」だけど公式の説明には「親友」ですからね。恋愛感情とか、いっしょに人生をとか思ってるのはクムラン側だけっぽい。
疑うことばかりのインソンにセウォンへの恩義を知らせたり、いい仕事をします。
クムランはセウォンの生きる国を、民を守るために働いたインソンに「国はどうでもいいんだよ」と食ってかかることも。
市井の民の視点をくれる人です。
世界はインソンとセウォンのためにできてないですから。
執政 ムクチョル/るねぴ
おおおおおるねぴが悪い奴だ!めちゃくちゃ上手い!上級生の芝居だわ。
悪役がちゃんと悪役してこそ、物語は重みを出すのである。


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