花組版『マジシャンの憂鬱』感想・1

花組博多座公演『マジシャンの憂鬱』を観てきました。
3月9日(土)15時開演の初日です。

私の地元から片道4時間半、博多は遠い……けど、博多座は楽しいですね。
入館の階段から楽しすぎる。

さて『マジシャンの憂鬱』は初演を観てます。
あさかな版の月組です。
宝塚にハマりたてのころで、大劇場でも観たけどDVDも買ってます。
楽しいです。

「マジ鬱」について

作品としてはハリーこと正塚センセイのほんの少しミステリ要素もあるコメディ。ミュージカル要素も多めです。
事件に巻き込まれて逃げられなくなってく主人公・シャンドールと、どんどんマイペースにパワフルに力を出してくる皇太子・ボルディジャールのやりとりがものすごく面白い。
ハリーらしい言葉遊びにあふれた歌詞がとても好きなんですよね。
「あなたに幸あれ」「やつらにバチあれ」とか最高じゃないですか。

あ、舞台照明はやや暗めなとこがあって、疲れがたまってると意識が飛びそうになることもあるので……そこだけはご注意ください。はい、前日はよく寝ましょう。私は前日3時間半くらいだったので……ハイ。

初演はあさこが、再演ではひとこが主演を務めますが、どちらもスーツやタキシード姿がたいそう似合いますから、そういう意味の眼福さもあります。

終盤は主人公とヒロインの恋の流れもキュンキュンするやつです。

再演・花組版の印象

さて、初演版(月組)と再演版(花組)を見比べて思ったこと。
月組版に感じたうさんくささや雑多な感じがなくて、花組版は全体的にピュアな印象でした。
再演版のほうがちゃんと、わかりやすく「宝塚」してますね。

理由の一つはシビさんとミサノエールさんがいないことかな。
シビさんといってももうピンとこない方が多いかと思いますが、矢代鴻さんという54期の娘役さんで、専科で卒業された歌のスペシャリストでした。
かすれた声が独特でね、ハリー作品名物でしたよね。(あとオギーのにもよく出てた)

そしてもうお一方のハリー作品名物・ミサノエールさんも。当時は専科でのご出演でした。

このクセ強なお2人が月組版には出ておられて、初演作品にダークでうさんくさい味わいを足してました。

もう一つ、花組版がピュアな印象になった理由はシャンドールの仲間たちが若くて、みんな大学時代の同級生かもと思える年齢幅の狭さかな。

初演月組のシャンドールの仲間たちって、明らかに年上のタキちゃんやエリさんがいたことで「よくわからんつながりのダメな大人の集まり」という雰囲気だったんだよね。裏稼業とかちゃんとありそうだし、お客とのだまし合いもすごそう。
それに比べると今回の花組博多座版は、みんなモラトリアムの延長に見える。『めぐり会いは再び next generation』のレグルス(せおっち)の仲間みたいな感じ。

別にどっちがいいってわけじゃないです。ただの色の違いです。

初演でゆうひさんがやってた役(ジグモンド)のはなこちゃんも衣装が普通になってましたね。
ハリー私物の謎のベストとかなかった。
こういう衣装などもわりとうさんくさくないものになってました。

ボルディジャール殿下

初日を観て、ものすごく良かったのはほのかちゃんのボルディジャール殿下。
若く美しく意気軒昂で、ほのかちゃんが持つカロリー(めっちゃ高い)の全てをぶつけるような在り方でした。
「♬まさに殿下はパッショネイト〜」って歌われるとおりです。

「マレークが生きている」となってからのパッショネイト殿下ほのかちゃんの体当たりぶりがすごくてねぇ。まさかこんなにハマるとは思わなかったよ。
自分を何度もぶん殴るところとかさぁ…勢いがすごくて。カラダ張ってるわぁ。

初演のきりやんは生真面目ながら飄々とした間で笑わせるタイプの殿下でしたが、ほのかちゃんだといろんな意味でパワープレイになるんですね。

シャンドールさんに抱きつきにいくところとか、ひとこちゃんが吹っ飛ぶかと思った。

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