ちり紙の匂い

宝塚一般,雑誌・書籍

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一般的には「サッちゃん」「おなかのへるうた」の人、ヅカファン的にはなつめさんのお父上であらせられる阪田寛夫氏の「おお 宝塚!」を読みましたよ。
1992年初版。
内容としては、ご自身の子供のころの宝塚の思い出や、なつめさんのこと、劇評などが載ってます。

この子供のころの思い出がすごく面白いんですよ。

昭和10年代、大阪の子どもたち。
小学校5年生のクラスの3分の2が宝塚ファンだという状態がまずすごい。
男子だって堂々たるヅカファンである。
そしてジェンヌさんの品評会(これがまた傑作!)をしているというほどの…。

あるとき「宝塚を観に行きたいが担任の先生を説得せねばならない」という話になり、なんと彼らは春日野様のお力を借りようとしたのだ。
よっちゃん先生に自分たちの担任を説得してもらおう、という考えである。
どこがよっちゃん先生のご自宅かを知っているあたりがまたヅカファンである。

で、春日野様のご自宅のチャイムを鳴らし、出てこられたところで幼き阪田さんたちはつい逃げてしまわれたのだそうだが、勇気ある一人は春日野様と話をしに戻った。

もちろんその願いは聞き届けられるはずもなく、「学校の先生に相談しなさい」「ねがいをきいてあげられなくてごめんなさいね」ということで済んでしまったのだが、そのときにかすかに甘い匂いのするちり紙をもらったというのである。

なんというか、春日野様はまっとうな大人だなぁ。
そして優しい。

昔のジェンヌさんと子どもたちの関係があたたかくて面白い。

それにしても、宝塚に男の子が熱狂していた時代があるというのが、すごく不思議な感じだ。

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