花全ツ『哀しみのコルドバ』感想・1

花組全国ツアー公演『哀しみのコルドバ』金沢公演、9月7日(火)13:30と18:00の昼夜2回を観てきました。

かれーちゃんが演じるのは花形闘牛士のエリオ・サルバドール。
花形といわれるにふさわしい華があり、名ダンサーなだけあって動きの美しさも堪能させてもらいました。

真飛エリオや早霧エリオと比べて、柚香エリオはクールな印象が強い。
闘牛士の座を捨てて不倫の愛に走ったビセント(ほのか)を理解できない。
理性的で、信仰心篤く、秩序を大切にして生きてきた人なのだと思う。

それゆえに、エバと再開し、恋に流されていく落差が大きい。
ぜったいにエリオ自身は理性を失ったような判断はしないと思っていただろうに。
エバに惹かれつつも自分を取り戻すために故郷に戻ろうとするほど、理性的な人なのに。

エバと再開したときの目の輝きがいいんですよ。
実力も人気もあってまさに絶頂期にある落ち着いたエリオが、少年のような表情を見せる。
あれは、エバと恋人同士だった8年前に戻っていたんだろう。

一番素晴らしいと思ったのは、エリオが真実を知ってからの表現。
「エバに同じ悲しみを味わわせる奴がいたら殺す」の凄みよ…!
一気に闇をまとい、懊悩する。青黒い炎が見えるような演技でした。

残酷な真実を抱えたまま一人で死に向かっていく結末への「なんでやねん!」という感情も、エリオの持つ濃い情念に塗りこめられていく。
柚香エリオの爆発した感情に、劇場が埋まっていくのを感じました。
だから彼の死も、当然の帰結として腑に落ちました。

ラスト、ゆっくりと倒れていくポーズがとても美しいんです。
ただすごく大変だと思う……。
ダンサーとしての身体性を生かした美しい動きでした。

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