『ルパン三世』感想・2

雪組

アントワネットチームが美術品としてまずは登場するところが美しかった。
これぞタカラヅカな演出、そして人形振りのような動きも楽しい。

ルパン三世らがタイムスリップして宮廷に現れる場面、アントワネットのみゆは登場時のビジュアル的なインパクトは少々欠くものの、話し出し、演技をし始めるとやはりうまい。
ヒロインだなぁと思う。

トップ娘役の芝居が上手いってやはりいいものだ。
みゆの芝居が上手いから、回りの人もやりやすいだろうなぁ。
感情を乗せやすいもの。

みゆのアントワネットは可愛くて無力で無知なお姫様。
王妃ではあるけれど「お姫様」な感じ。
子供っぽい傲慢さもあるけれど、感情移入しやすい。

彼女がルパンと出会い、助けられ、成長していく。
変装して遊びに行った町で自分を揶揄した芝居を見て「嫌われるのは慣れているもの」とある意味で甘えたことを言っていたのに、ルパンの言葉で自分がなにをすべきか、どうあるべきかを考えだす。
2人に心のつながりが見える。
そしてちゃんと登場人物が成長していく話はいいなぁ。

この芝居を見ているシーンがすごくいいんだ。
驚きも傷つきも、高貴な人という立場の中に見せる。

宝塚版『ルパン三世』のアントワネットなので、ベルばらとは違う結末を迎えます。
賛否あるかとは思いますが、私はこの結末でよかったと思う。
史実とは言え、『ルパン三世』の中であまり重く切ないものは見たくなかったから。
ルパンとアントワネットの別れは、、時空によって引き裂かれるものというだけで私には充分。

アントワネットが逃げるためにルイ16世の特技がポイントになっていたのもよかった。
それもつっこみどころではあるのでしょうが、上手く考えたなぁ、と。

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雪組

Posted by hanazononiyukigamau