雪版ロミジュリ感想・3

フィナーレのダンスを見ていて、まっつの踊りがやたらうまいなと思った。

花組のときから見ていてもちろんそれまでもいいなぁとは思っていたんだけど、今回雪組の中においてさらに強く思った。
どこを切り取ってもポーズが決まっている。

動きが端正。
無駄がなく、張りつめた緊張感があって、派手さは感じないのにどこまでも美しい。
花男ハンパねぇっす…! と思いました。

なにより手の美しさ。

手の形がそれこそ「指先まで神経が行きとどいている」という状態で、やけに完成度が高いんである。
これを仕上げるのにどれだけの修練が必要だったんだろう。

まっつの手の動きを見ているだけで飽きない。ため息が出る。

ちなみにやけにまっつの踊りが映えるな、と感じたのは隣がひろみちゃんだったからかもしんない…(失礼)。

そうそう、芝居中では金髪っぽくなってた髪が、男役と娘役が入り混じったダンスで真っ黒になってたもので「ちょwww さすがまつださんwww」と思いました。
まっつといえば黒髪、黒髪といえばまっつ。基本は黒じゃないと落ち着かないのかしら。

でもこのときは付け毛かなにかをしていて後ろが長かったよね。
紫の燕尾の男役ダンスのときはそれすらなくなって普通のリーゼントになっておりました。

さて芝居でのベンヴォーリオ役について。
まっつの歌も好きだし芝居も好きだ。

ベンヴォーリオはロミオの親友ということもあって若い役。
まっつなのに若い! と変な感動をしました。
それでも狂犬系でキレぎみなマーキューシオじゃなくてベンヴォーリオに配されるあたりがまっつさんクォリティ。

珍しくも闘争シーンでやりあってる姿にも変な感動をしました。

「恋人を探していたんだ」などとポエムなことを言うロミオさんに煙にまかれているところはかわいいです。

マーキューシオと一緒にキャピュレット家の舞踏会へ乗り込んでる姿も妙にかわいくて好きです。

が、やっぱり一番いい場面といったらジュリエットの死を追放されてマントヴァにいるロミオに告げなければ、と歌うところでしょう。
歌にドラマがある。
友情と彼の強さを感じる。

相手にとって辛すぎることを、親友であるがゆえに引き受けて話す。
マーキューシオ亡き今、それをするのが自分しかいないから。

「どうしてここに?」と嬉しそうに聞くロミオに「君に会いに」という言葉の苦さ。
また、このときのキムラさんロミオが真っ白のきらきらした笑顔を向けてくるものだから余計に苦さが際立つ。

「君に会いに」――この言葉は本当だ。だが、ロミオが思っているような理由ではない。けれど真実を伝えなくてはならない。

彼の辛さが伝わってくる。ベンヴォーリオに代わって胃が痛くなるほどに。


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