『風の次郎吉 ―大江戸夜飛翔―』感想・10

花組,専科

・花咲(かよ)のじゅりあちゃんはモテモテです。
みっちゃん・Pちゃん・マイティー・ゆずかれーちゃんと、どんだけ……!
娘役冥利に尽きることでありましょう。

しっとりと美しい女郎ぶりでした。

(かよじゃねえかぁぁぁ!)と頭を抱える次郎吉と、すがる相手が筒井筒の仲とは知らず「三郎太さんをお助け下さい」とすがる花咲の残酷な状況がめちゃくちゃおかしかった。
次郎吉かわいそう! でもおかしい。
この花咲さんに頼られたら、うんと言わずにはいられないわなぁ。

・マイティーは、前作(エリザベート)で人魚でびちびちしてたと思ったら、今回は縛られて転がされてびちびちしていた。
笑う場面じゃないのになぜか笑えた。すいません。

ついでに、マイティーのいたぶられっぷりと、町のみんなの「助けなきゃ!」感に「三郎太さんってお姫さまポジなのか」とも思いました。

ちなみに、私の笑いのツボに入ってしまっただけで、たいていのファンは「三郎太さん……」と切なくなってキュンキュンきていたものと思われます。
あるいは「いたぶられるマイティー……。サイトー、グッジョブ!」と、萌え転がり、高揚したか。
あ、みなさんに聞いて回ったわけではないので想像にすぎんけど。

花咲を想って歌う歌もありました。
「とにかくできるだけ多くの人に1曲!」というサイトーくんの意気込みが伝わってきました。

・マイティーの三郎太がいたぶられてるとき、後ろでキセルを吸ってるのが同期のゆずかれーちゃんというのがたぎります。
また似合うんだ、キセル。
斜めに腰かけてる姿が絵になるったら。

勇人さんの「約束は守ってくれるんすよねぇ!」の迫り方はなんだかヤンキーでした。
若いの。
若さゆえの直情がどこか可愛い。

花咲を無理に連れていこうとするシーンは、歩いているだけなのにものすごいおみ足のサービスでした。
もうちょっと隠してくれてもいいのよ……?

ショーシーンでのゆずかれーちゃんはみっちゃん・瀬戸くんに次ぐ3番手。
歌は弱いけど(多少マシになったか?)、それを補って余りあるほどの華や色気、存在感がありました。
ああもうダンスシーンかっこいいなぁ!

なので、某さんに言われるまで「実は勇人ってそんなに重要な役じゃない」ということに気づきませんでした。
ま、これもかれーちゃんの存在感のなせるわざってことで。

・ふみかさんとPちゃんは悪役コンビ。
いやぁもう面白いし上手かった!

「疲れたときには甘いもの」の下にはしっかりと小判、そして「お主も悪じゃのう」からの2人のデュエットは笑った。
ベタだ! お約束だ。待ってました!
こういう展開大好き。

石川一馬のPちゃんは悪くなろうと思えばどこまでもいけそうですが、ちゃんと『風の次郎吉』の世界の中にはまる悪役を好演。
うまいよなー。
彼女は真ん中よりもこういうちょっと面白いポジションのほうが生きると思う。

ふみかさんの呉服商・小松屋は怖かった。
どこにいるのかわかんないけどどこかにいそう、でもいたらイヤだ!
あのねっとり感と、表の顔の腰が低い、石川様相手には下手に出る姿はほんとすごかった。
ヲカマ感出しつつも思いっきり暴力をふるってくるのがマジで怖い。

ふみかさんは活動弁士も立て板に水。
聞いていて気持ちがいい。

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