星ロミジュリ新公感想・2

2021-01-31星組公演感想,星組

『ロミオとジュリエット』新人公演の感想の続き。
1に引き続きほとんど誉めてません。

新公である以上1回しか観るチャンスがなく、しかも席が2階の最奥部だったもので全ての人を同時に把握することは絶対にムリ。
なので見落としている箇所などは多々あると思います。
あくまでもそういう条件下での感想です。

●紫藤くんのマーキューシオは威嚇して騒いでるだけの人に見えたなぁ……私には。

フラストレーションを発散させるために騒ぎ、喧嘩をけしかける。
(ちなみにそれを夏樹くんのベンヴォーリオはめんどくさがってるように見えた)

そんななので、死に際の歌が唐突だったらありゃしない。
「ジュリエットを愛し抜け」が意味わかんなかったもん。
そう思う過程が見えなかったから。

そして「愛する友よ」という歌詞には「愛してたの? え、ほんとに?!」と訊きたい気持ちでいっぱいになったぞ。

髪はみっきーみたいに赤かったです。

で、なんで赤くしたんだろう。紫藤くんなりの考えはあるんだろうか?
そりゃ目立つけどさぁ…。

●夏樹くんのベンヴォーリオの「どうやって伝えよう」はいい出来。さすがの歌ウマ。
ドラマティックに歌い上げた。

ただ、彼もまたそれまでの感情の流れがいまいちよくわからなかった。
なんでいきなり“目覚めちゃった”のかがわからなかった。
ただ一人残された自分がロミオに伝えなければならないと思うその土台が、ロミオが追放されるまでの時間で見えなかったんだよ。

夏樹くんのベンヴォーリオはクールな感じでしたね。
2幕の「今日こそその日」だったっけな、闘いを下手で座って見てたのは。
(本公演は座ってなかったよね?)

で、マーキューシオには「トラブルメーカーの面倒を押しつけられるのはごめんだ」という気持ちで対処しているように見えた。
心配だからとか弟分だからとか一族のためとか、そういう感じはしなかったの。

ロミオの兄貴分には見えた。
あとビジュアルがめちゃくちゃかっこよかった。

●これだけチケット難の新公を4時間以上並んで座っておいてなんですが、観ながら「Bパターン、もう1回観たいなぁ…」と思ってました。

歌レベルだけなら、今回の新公のほうが上かもしれない。

けれど私が好きなのは本公演のBパターン。
そこには物語があり、人々が気持ちと考えをもって生きているから。
人々が愛情をもって生活しているから。

ロミジュリは大作ミュージカルだけれど私は歌よりも芝居がみたい。
生きた人間をみたい。

今回の新公の演出家は田渕先生、VJ――『Victorian Jazz(ヴィクトリアン ジャズ)』の人。

VJは、ショーアップされててそれなりに楽しかったんだけど、出てくる人物の(特に主人公とヒロインの)性格はよくわかんなかったんだよな……。
あと物語の中心は主人公になくて、(ミュージカルっぽさ以外の部分で)なにをやりたかったのかよくわからない作品だったし。

物語の核がどこにあるかとか、人物を演じる上でキーになる部分はなにかとか、そういうことをあまり考えない人なんだろうか? と2つの作品の演じられ方をみて思った。

歌に特化してる感じの新公でした。

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