星ロミジュリ新公感想・2
『ロミオとジュリエット』新人公演の感想の続き。
1に引き続きほとんど誉めてません。
新公である以上1回しか観るチャンスがなく、しかも席が2階の最奥部だったもので全ての人を同時に把握することは絶対にムリ。
なので見落としている箇所などは多々あると思います。
あくまでもそういう条件下での感想です。
●紫藤くんのマーキューシオは威嚇して騒いでるだけの人に見えたなぁ……私には。
フラストレーションを発散させるために騒ぎ、喧嘩をけしかける。
(ちなみにそれを夏樹くんのベンヴォーリオはめんどくさがってるように見えた)
そんななので、死に際の歌が唐突だったらありゃしない。
「ジュリエットを愛し抜け」が意味わかんなかったもん。
そう思う過程が見えなかったから。
そして「愛する友よ」という歌詞には「愛してたの? え、ほんとに?!」と訊きたい気持ちでいっぱいになったぞ。
髪はみっきーみたいに赤かったです。
で、なんで赤くしたんだろう。紫藤くんなりの考えはあるんだろうか?
そりゃ目立つけどさぁ…。
●夏樹くんのベンヴォーリオの「どうやって伝えよう」はいい出来。さすがの歌ウマ。
ドラマティックに歌い上げた。
ただ、彼もまたそれまでの感情の流れがいまいちよくわからなかった。
なんでいきなり“目覚めちゃった”のかがわからなかった。
ただ一人残された自分がロミオに伝えなければならないと思うその土台が、ロミオが追放されるまでの時間で見えなかったんだよ。
夏樹くんのベンヴォーリオはクールな感じでしたね。
2幕の「今日こそその日」だったっけな、闘いを下手で座って見てたのは。
(本公演は座ってなかったよね?)
で、マーキューシオには「トラブルメーカーの面倒を押しつけられるのはごめんだ」という気持ちで対処しているように見えた。
心配だからとか弟分だからとか一族のためとか、そういう感じはしなかったの。
ロミオの兄貴分には見えた。
あとビジュアルがめちゃくちゃかっこよかった。
●これだけチケット難の新公を4時間以上並んで座っておいてなんですが、観ながら「Bパターン、もう1回観たいなぁ…」と思ってました。
歌レベルだけなら、今回の新公のほうが上かもしれない。
けれど私が好きなのは本公演のBパターン。
そこには物語があり、人々が気持ちと考えをもって生きているから。
人々が愛情をもって生活しているから。
ロミジュリは大作ミュージカルだけれど私は歌よりも芝居がみたい。
生きた人間をみたい。
今回の新公の演出家は田渕先生、VJ――『Victorian Jazz(ヴィクトリアン ジャズ)』の人。
VJは、ショーアップされててそれなりに楽しかったんだけど、出てくる人物の(特に主人公とヒロインの)性格はよくわかんなかったんだよな……。
あと物語の中心は主人公になくて、(ミュージカルっぽさ以外の部分で)なにをやりたかったのかよくわからない作品だったし。
物語の核がどこにあるかとか、人物を演じる上でキーになる部分はなにかとか、そういうことをあまり考えない人なんだろうか? と2つの作品の演じられ方をみて思った。
歌に特化してる感じの新公でした。
ディスカッション
コメント一覧
こんばんは。
ゆきたろさんの感想を読んで少し安心したというかなんというか……
なんとなく現在「歌がうまい=役者として技術が高い」というファンの方も多い印象があって、実際私が読んだ新公の感想は賛美の嵐でした。
私もあくまで「歌」劇団だからある一定の歌唱力がほしいと思ったり、歌唱力があると安心しますが、歌「劇」団でもあることを考えると歌だけで宝塚の舞台は成り立たないよなぁと……。
決して歌唱力が高い訳でなくても味で聞かせてしまうジェンヌさんもいらっしゃるし、お芝居やダンスもしかりで、歌のみが判断されるというのもなんとなくもにょもにょしてしまう自分がいます…(´・ω・`)
今回の星新公は本当に全体としてうたうまだったようなので、それは確かに彼女たちの魅力だろうから、更に役者さんとして厚みが出ることを楽しみにしたいなぁと思いました。
長々と申し訳ありません><
乱文失礼いたしました!
良いものは持っている筈なんですが、さすがに本公演で二役やって、新人公演で主役と言うのは、あの学年では早すぎたのではないかと
個人的な感想なのですが、星組さんに男役さんを上手く育てる上級生が居てくれたら。と、思います。
紅さんの目を縦にかっぴらいて怒鳴る癖といい
真風さんの…といい
次代を担う筈の若手達の頼りなさが、気になります。
かつて、宙組の若手が自分の魅力も分からず、ただのイケメンと言うだけで舞台に立っていましたが
大空さんが賛否両論ありつつも主演になり
個々の魅力の見せ方、自分の男役としてのプライドを宙組に残していったように
良いものはたくさん持った若手スター候補が揃っているのだから、きちんとお手本となって、教えられる人が居てくれたら…。と、強く思います。
新人公演で、こう歌がうまいだけのハリボテ状態でも、恐らく一般的には絶賛されているのだから、と、注意もされずこのまま東上するんだろうな。
と思うと勿体無くてなりません。
とりとめもない長文失礼しました。
>やまなし さま
ろくなことを書いてない公演評なのに安心されるというのが不思議な感じもしますが……お役に立てたようで(?)よかったです。
他の方の書かれた新公の感想は読んでいないんですが、劇場の拍手はすごいものでした。
だから賛美の嵐になるというのもなんとなく納得です。
ただ、「歌さえ上手ければいいってもんじゃないよな」と思ってたので、妙な居心地の悪さは感じました。
>通りすがり さま
新公はあくまで練習なので、研5で初主演というのは早すぎるとは思いません。
完成されたものを求めに行っているわけではないので…。
ただ、今回のばあい観客側が「礼くんなら完成されているはず」という期待と思いこみのまま観てしまっているのではないか、という気はしました。
東京公演では芝居の練習に力を入れてくれたらなと思ってやみません。