ライブ配信で見た花組東京宝塚劇場公演『うたかたの恋』の新人公演の感想の続き。
ジャン・サルヴァドル・れいん
2番手ジャン・サルヴァドル役はれいん。本役はマイティーです。
れいんは花組若手陣の中で扱いがよく、そのうち新公主演が回ってきそうな感じだったこともあり、いちおうこれまでも顔は見たことがあったはず……。
だけど、こんなにきれいなお顔でしたっけ!?
芝居中ももちろんきれいだったけど、らいとたちの終演後のご挨拶で映り込む顔がとりわけキレイでしたね。
今までの私の目がボンクラだったのか、痩せたりしてかっこよくなったのか、化粧がうまくなったのか。
いずれにせよ、花組に美男子が多いのはよいことだ。
舞台も安定。
理想と現実をきちんと見ていそうな、地に足のついたジャンでした。
フェルディナンド大公・鏡くん
ひとこが本役のフェルディナンド大公の鑑くんも研3ながらしっかりした演技。
今回、フェルディナンド大公という役が重くなったのも美味しいですね。
ルドルフたちを逮捕すべく追ってきたものの逃げ道を示そうとするところは感情が乗っていましたね。
良心の呵責に逡巡のさまがフェルディナンド大公自身の若さが見えて、いたいけでした。
ブラットフィッシュ・みそまる
ルドルフの御者・ブラットフィッシュはみそまる。
本役のほのかちゃんよりは庶民的で(まぁ持ち味ですよね)、気のおけない仲間なのがよくわかる演技。
元から歌・芝居・ダンスと3拍子そろった人なので期待しかなかったけれど、その期待どおりの舞台。
実力に加え明るさもあるから見ていて楽しい。
マイヤーリンクでの歌も、悲劇の前のつかの間の幸せを見せる。
フランツ・ヨーゼフ・だいや
前回の新公主演者が脇に回っての演技。
出番は多くないながら、新公の長だけあってさすがに新公メンバーの中では貫禄と迫力がある。
大きくて「効く」目をしているだけに、かれに睨まれることの怖さ、ハプスブルク家の権力も強く感じられました。
美貌を封印しきらない中年の風貌。
だいやといえば色気の人なので、皇帝の「ご友人」シュラット夫人の存在にもそりゃもう……となってしまう。
フリードリヒ公爵・海叶くん
今回の新公で驚かされたうちの1人、フリードリヒ公爵役の海叶くん。
うまかった。
かれは『冬霞の巴里』で覚えた人。
記者・モーリス役を演じていたときは「頑張れ」という感じだったけど(周囲も上手かったしね)、今回はとてもよかった。
いい意味で予想を裏切られました。
海叶くんのフリードリヒ公爵は本役のびっくさんに比べて悪役度は低めで、物言いも貴族としての義務や自負によるものに聞こえた。
フェルディナンド大公に皇位簒奪をそそのかす際にフランツのこと(結婚相手を選べたのは皇帝だったから)を出すのもあくまで煮え切らぬ相手への後押しで、自らの欲から発してはいなさそう。
理性的で理知的な陸軍大臣殿で、正しく見えるがゆえに怖かった。
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