星ロミジュリ新公感想・1

2021-01-31星組公演感想,星組

6月18日(火)18時から行われた大劇場公演『ロミオとジュリエット』新人公演の感想。

誉めてる部分は少ないので、そういうのを読みたくない方はパスして下さい。

●風ちゃんの乳母は乳母ではなく28歳侍女に見えました。

外見的に若いことよりも包容力のなさが問題。

12歳くらいで子守として雇われて、子供がとりたてて好きでもないけど仕事だし実家に帰ることもできないからお嬢様にお仕えしてきた人って感じがした。
なんか子供を育てたことがなさそうなんである。
乳母のナンバー(あの子はあなたを愛している)で「はじめてお嬢様を抱いたとき」の手つきが不安になる……ジュリエットを落としそうで。

あと、全体にえらいしゃきしゃきしてたなー。
セリフも動きもせわしなかった。
(このへんがまたとっても「28歳侍女」。)

歌はさすが。乳母のナンバーはきっちり歌い上げてました。

あの音域の広い歌を歌えるあたりがまたミュージカル女優っぽいのよ。
ただし乳母のナンバーというより「妃海風リサイタル」って感じでしたが。

●ひろ香くんのロレンス神父もまた包容力がない。

まず目つきが鋭すぎる。
聖職者としての出世に興味のある人か、あるいは厳格すぎる信仰者かどちらだろう……としばらく考えてしまいました。

たぶん後者。
熱心に神を信奉するあまり、他者への温かみは欠いた神父に見えたなぁ。

そしてこのロレンス神父にしじゅうつきまとってたロミオすげぇ、と思いました。
私だったら敬愛はしてもじゃれたりできないぞ。

ただこの神父、たまに優しい。
「予定どおりの初夜を迎えるのだ」とロミオを送り出すところや、ジュリエットに「24時間後おまえは目覚めて」云々歌うところはあたたかい。
アメ1割、ムチ9割のバランスでしょうか……。

峻烈な信仰心を持っていそうなので、ロミオとジュリエットが亡くなったあとの「これからなにを信じればいいのか」は激しく響きました。

――風ちゃんもひろ香くんもけっして下手な人ではない。
学年その他考えてもかなり上手いほうなんだろう。
ただ、私の思うロミジュリの乳母や神父ではなかったな。

この2人に限らず、新公では全体に心優しい人物が少なかった。
あまり愛が感じられない。
ロミオとジュリエットも、仲間たちも、家族も。

歌も大変、作品も大物、やるべきことをこなすだけでもいっぱいいっぱいだろう。
舞台経験値も人生経験も浅い彼女らが精一杯やったのだろう……が、演じられた役に対しての感想は変わらない。

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