『舞音-MANON-』新公感想・5

2021-01-31月組

●新公初ヒロインでマノン役を演じたのは叶羽さん。

「答えてよ わかるなら 愛が何なのか」と歌うところは、キレてるような、シャルルを挑発しているような、な雰囲気。
ちゃぴマノンは今でもまだ夢の中に生きている透明な少女性がありますが、叶羽さんのは裏切られたことがあって恨みを抱き、大人になったんだろうなぁ、と。
性質的にクオンに近いと思う。

本公演に比べて悪女よりの演技で、元来のマノンのイメージに近い。
それがいいのか悪いのかわかりませんが、ぶっちゃけ、セリフは本公演より聞きやすかったです。
元々芝居もできる人だし、演技や歌のクセも強くないし、声もいいし。

最大の課題のビジュアルは覚悟していたよりもかなりマシでした。
美女や美少女にはなりようがないですが、それでも。

とはいえ、役柄がアジア系ということに助けられた部分は大きいと思うので、今後はどんなもんかなー……。
今回が悪くなかったとはいえ、ビジュアル的にも実力的にも、もっと「真ん中」相応の人はいるんじゃないか? という気持ちに変わりはありません。

●シャルルの婚約者・カロリーヌ役は美園さん。

本役のわかばよりも貴族性が強く出ていました。
ブロイの言う「フランスの女は気位が高くて疲れる」が感じられる演技です。
もちろんそれだけじゃなく、優しさも愛もありますが。

さくらカロリーヌは賢くて、だからシャルルの変化にも鋭敏で、彼のことを責められないさみしさがありました。
(わかばカロリーヌだとなんか動物的な勘でマノンのことに気づいていそう)

歌も芝居も達者。
安心して観ていられました。

●マダム・チャンにくらげちゃん。

本公演のすーちゃんより若いのもあってクオンが「あなたほどの女は、サイゴンでも滅多にお目にかかれない」と言うのに納得できる。
(すーちゃんは好きだけど、さすがに「クオンの熟女好きめ……」と言いたくなるのよ)

うまかった。
くらげちゃんのマダム・チャンもきちんと革命を率いていけそう。

やっぱりくらげちゃんの演技は好きだわ。こういう強くてクセのある役似合うわぁぁぁ。
それが路線娘役的にどうなのかわかんないけど。

●ホマ役に小雪ちゃん。

本役のくらげちゃんは「屈折してます!」って感じでしたが、小雪はそこまでじゃない。
パッショォォォン!!!! な感じでした。

でもくらげちゃんのホマが鮮やかすぎてなー。それに比べると小雪ホマは何を考えてるのかよくわかんない。
体当たりでどかーんとはくるんだけど。

作りこみがざっくりしてる印象でした。

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