『ONE』感想・2

踊るきりやんにひたすら感動した。
圧倒的だった。

先代もその前も、印象としてダンサーはいてもシンガーは少ない。
だからきりやんは路線でありながらばりばりに歌える「シンガー」としてのイメージが強かった。
ダンスが上手いのはもちろんわかっていたけど、先代のあさこがダンサーだったから、きりやんのダンスに比較的ありがたみがなかった、というのはあると思う。
あくまで「比較的」だけど。

今回の公演はきりやんの踊る体に見入った。
ただただすごいと思った。

ピアノコンチェルトの場面だったかの、無駄のない動き。
ユニコーンの場面でのしなやかな動き。

たたずまいは静かに感じられるのに舞台を軽く掌握していた。
息苦しさもなく引き込まれた。

きりやんの男役としての年輪を感じた。
若者が発する熱さや力とは違った、年齢を重ねたからこその余裕のある動きや態度。
穏やかでありながら観客の目を引きつける大きさ。

他を圧するのではなく、ただ淡々とそこにあることが美しい。
受ける印象としては、とても日本的で禅的な、わびさびな感覚に近い。

日本の石庭が宇宙を示すように、きりやんのダンスにもコズミックななにかを感じた。
なにかを内包する動き。
小さな体に大きなものを抱え込んで、それをときおりふっと見せるような――。
ことさらに派手な動きはしないけれど持っているものが大きいから、観客はそれに引き込まれる。

あらゆることを超越して、「踊る人」が舞台に立っていた。

どことなく枯れた味わいがあった。
年齢と経験と、かつて味わったであろう挫折や苦労、それを越えてきたからこそにじみ出る雰囲気なのだろう。

なんだか文章がポエジーになってしまったがとにかく感動したんだ。

トップ昇格が遅く「旬を逃した」と言われることもある彼女だけれど、今のきりやんの踊りを見れてよかったと思う。

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