雪全ツ『琥珀色の雨にぬれて』感想・3

2021-02-11雪組公演感想,雪組

・真彩ちゃんのシャロン・カザティ、素晴らしかったです。
登場時の歌はもちろんのこととして透明な存在感を出してきた。
クロードがふらふら~っとなってしまうのも納得です。

真彩ちゃんは美貌の人ではないけれど、美声の持ち主で、歌にも芝居にも実力を発揮。
実力ある娘役さんってすごいなぁ。
お坊ちゃんクロードを包み込むような大人っぽさと優しさもありました。

クロードがフランソワーズの元に行ったあとのルイとのやり取りでやさぐれた感じになるのもよかった。
そういう翳りも出せるんだよね。
説得力のあるシャロンでした。

・一方で星南さんのフランソワーズ。

新公などで「あまりこの人芝居が得意じゃない……?」とか「がんばれぇぇ」と思うことはたまにあるけど、今回ほど「やべぇ……」と思うことはそうそうない。
なんかすさまじかった、すさまじいとしか言いようがない出来だった。
もちろん悪い意味で。

言付けを頼まれたところが一番ヤバくて、言付けじゃなくて手紙に、そして手紙を書いた人が舞台隅で話す(『仮面のロマネスク』のように)方式にしたほうがよかったんじゃないかと思う。
長台詞はしゃべらせたらあかん……。

きれいなんだけどねぇ。
千秋楽でこれだったってことは、初日近くはどんなだったのかと……。

ビジュアルのわりに不思議な生々しさがある演技で、そのためか「私の前で私を通りこした話をしないで」みたいなセリフはしっくりきました。

しかしフランソワーズの行動力は尊敬に値する。
お嬢さまだけど新しいタンゴも習うし車の運転もするし、クロードの居所を見つけ出すし。
ぶっちゃけちょっと怖い(クロードのせいもあるけど)。

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