雪全ツ『琥珀色の雨にぬれて』感想・1

2021-02-11雪組公演感想,雪組

雪組全国ツアー公演『琥珀色の雨にぬれて』を愛知県芸術劇場で観てきました。
9月18日(月・祝)11時公演(前楽)と15時30分公演(千秋楽)です。

ちなみに過去の『琥珀~』は星全ツをナマで、花大劇版をテレビで、花新公ダイジェスト(蘭寿さんの)を映像で観てます。

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ひさびさに観た『琥珀~』、情緒があっていい話だと思います。
絵的にきれいだし、言葉もきれいだし、出てくる人たちは美しいし、真ん中の人たちは実力者で上手いし。

けれど、「クロード、あんたなんやねん」「ええ加減にせぇ」とつっこまずにいられませんでした。

優柔不断だわー。
ぼっちゃんだわー。
なんでフランソワーズと結婚しちゃったかな。誰も幸せにならないじゃん。

追いかけてきたフランソワーズを傷つけたと思ったときに、それを償うべく結婚しなければと思ったのかな。
善良さゆえに。

だいもんのクロードが見事なまでにお坊ちゃんでした。
白だいもんです。
「心は白百合」がいかんなく発揮されてるのかもしれません。
ピュアでした。
ピュアさの表現が行き届いてるのがさすがのだいもんです。

マジョレ湖に行く列車を待っていたらフランソワーズに見つかり、シャロンと別れることになって「1人にしてくれ」と言うところでは「なに被害者ぶってんねん」と言いたくなりました。
誰も傷つけたくないんだけど正直に生きようとした結果がこれで、何もかもを思い切れたつもりで全然そうじゃないっていう。
虚ろになってる場合じゃないだろうよ。

これまでもクロードに対して思うことはあったけど、今回ほど「主人公、しっかりせい」と思ったことはなかった。
それもこれもだいもんクロードがとてつもなくお坊ちゃんだったからだと思う。
(自分が年とったせいかもしれない)
「どうしようもないやっちゃなー」と思うけれど、そのどうしようもなさを1人の人間としてきっちり創り上げただいもんの演技力は素晴らしいと思う。

歌で舞台上のあれこれを浄化する能力も健在。
過去には『復活』、『愛と革命の詩』などで発揮された能力です。最後にだいもんが歌えば少々アレな作品でも「いいもん観たー」と錯覚させるあの能力ね。

今回は作品自体はさほどアレなものではないですが、最後のだいもんの歌で2割増し満足度が上がったことは間違いないと思う。

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