『琥珀色の雨にぬれて』感想・2
●ねねちゃんのシャロンに肩入れしながら観ていたせいか、クロードには軽くイラっとさせられました。
ちえ演じるクロードという役は、演じている本人のせいではないと思うんだけど、「おまえはなにをしたいねん」と言いたくなる男でした。
ダンセレでも「自分がなにをしたいのかわからない」って言ってたな。
自分がわからない男2連続か。
クロードは善良で、正直で、まっすぐで、不器用な男。
貴族で、お坊ちゃんで、男気があって、正義感もあって、社会的にもきちんとしている。
弱気を助け強気をくじき、恋のライバルであるルイにもフェアな戦いを挑む。
友人もいるし家族も大切にしているのだろう。
そんな男が1人のファム・ファタルのためにすべてを擲とうとする。
周囲を不幸にしても一つの愛を貫こうとする。
こうやって羅列するといい男だと思うのに、なぜ観劇時にイラっとしていたかというと、女たちの決断が清々しくて、それに比してクロードが煮え切らなく映るから。
「私たちもおしまいね」と引導を渡すのも女。(実際はたぶん渡せなかったけど)
「浮気はバレたときに終わらせるものなのよ」と区切りをつけるのも女。
女に翻弄されるダメ男のかわいさを味わうべきだろうか……?
一番腹が立つのはフランソワーズと結婚しちゃったことだわ。
お互いに不幸じゃないか。
さっさと見切ればよかったのに……。
●でもフランソワーズはぶっちゃけ重いよな。
彼女のじめっとした重さと、男性とみまごう格好で一晩中車をとばして彼を追いかけてくる情熱の差がすごい。
(というか、これに関しては「逃げて―――!!!」という気持ちになるな)
この差が私の中では消化不良を起こしております。
本来明るくてタンゴを習うほどに活動的な彼女が、恋と嫉妬ゆえにかくも重い女になったのか、
それとももともとウェットな気質ゆえに情熱と意地でもって一晩中車を走らせたとみるべきか。
さておき、超イイ女のねねシャロンと張れる可憐さと演技力のあるはるこはすばらしいと思う。
うまかった。
それになんつっても美貌だし。
しかしほんと重いよな、この人。
●フランソワーズの兄・ミッシェルがどいちゃん。
でかい役だなー。
でも「どいちゃんはひたすら踊ってて…」と思ってしまったよ。
けっこうな学年だけど芝居であまり使われていないのには理由があったのね。
長台詞はキツかったです。
ディスカッション
コメント一覧
その人の芸風って本当に作品に左右されますよね。フランソワーズをウエイト感皆無の超カラッとしたあっけらかな芸風の人がしたらどうなるか興味ある(笑)
>田中 さま
弾丸のように突っ走るフランソワーズを想像しました。
ちゃぴ?
いや、ウメか?