星大劇版ロミジュリ感想・10

みっきーのマーキューシオは歌えるのがまずありがたい。
それでもなお「むつかしいんだろうなぁ」とか「大変そうだな」と思ったけれど。

彼のマーキューシオは繊細すぎてキレた人に見えた。
狂犬よろしく尖りすぎているのはナイーブさのあらわれ。

そして歴代で一番、女に恨みがありそうに見えた。女たらしなのは過去への復讐。
その執念が強く感じられた。

ロミオの結婚を知り「自分の喉を刺すんだ」と剣をつきつける。
それを拒否したロミオの答えを聞いたときに表情が変わる。
彼の根っこの部分、人を愛する心が出てくる。
ロミオをうらやましく思うような表情をし、ふらりとロミオを追おうとする。
(ただし、剣を鞘に納めていなかったためか、おそらくはロミオを害しようとしていると勘違いしたベンヴォーリオに引き止められるんだけど)

それがあったから死に際の「ジュリエットを愛しぬけ」がよくわかる。
今まで、このセリフがすごく唐突に思えていたんだけど、今回はじめてしっくりきたわ。
感情の流れがきちんと見えたから。

一点、奇異に感じたのは彼の髪が赤いこと。

この芝居において赤はキャピュレット家をあらわす色。モンタギュー家がわである彼には記号的にふさわしくない。
マーキューシオの激しさをあらわすにはいいんだけど、モンタギュー家の人なんだから紛らわしいことをしないでほしい。

――と最初は思っていたんだけれど、マーキューシオの死をみて少し考えが変わった。

これも今回はじめて疑問に思ったんだけど、彼にとって彼の立ち位置はどこにあったんだろう。

「俺は憎む、お前の家を」って歌うけれど、それはつまりマーキューシオの家≠モンタギュー家ということ。
彼はロミオたちと仲よく遊びキャピュレット家には率先して闘いを挑みながらも実はきちんとした居場所がわからなかったのではないか。
大公の甥で、ある意味「外部」の者であるがためにかえってより「らしく」あろうとして誰よりも好戦的だったのではないかと。
(外からやってきた人が必要以上に“規律”を守るのはよくある話)

ただしマーキューシオは考えと行動が一致しているような素直なタイプじゃないので、その葛藤や心理的な乖離が髪色にあらわれているのかもしれない。

でも赤以外のほうがいいと思うけど。

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コメント

  1. さくら より:

    「俺は憎む~」の台詞は唐突感がありながらも、映画版(バズ・ラーマン監督)でもあったので、原作にある台詞なんだなと納得してました。
    「愛し抜け」はどうだったか…記憶に残ってないです
    組や演者の色が結構ハッキリ出る演目ですよね~→ロミジュリ

  2. ゆきたろ より:

    >さくら さま
    教えていただきありがとうございます。
    (映画は未見なので)
    原作も読んでどうなっているかを確かめると楽しそうです。
    演じる人によって役が変わるのがほんとに面白いです。

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