『月雲の皇子』感想・5

月組

5月4日に1回観たきりで、まだ書き終わってなかった『月雲の皇子』の感想の続き。

なんか、うまく書けんのである……文をまとめられん。
面白かったしいろいろと感想はあるのに脳内を言葉や感情がぐーるぐるするばっかりである。(こういうのはたまにある)
が、ほっとくのも気持ち悪いので混乱したまま書き残しておく。

●衣通姫が大中津姫の実子としてふつうに受け入れられてるのが不思議すぎる。
男性である天皇がどこかの女に産ませた子、というならあり得ると思うが、お妃が妊娠してなかったのに子供を産んでることにだれも気づかないものかー?
不審に思ってないのかー?

●もうひとつつっこみたかったところ。
衣通は巫女だから男性と言葉を交わしてはいけない――というわけで、木梨や穴穂と筆談。
声はダメだけど文字ならオッケー、ってそりゃないぜ!

●最後の、木梨がずたぼろになりながらも何度も挑み、たやすくとどめを刺すことができるにも関わらず穴穂がそれをいなす場面。
見ているこちらの心がひりひりするようなやりとりだった。

剣を持って戦ってるのに、愛し合ってるようにしか見えないんである。
情とか愛おしさとか、そこから生まれる憎しみとか、失われたものを求めたり、虚無感を充たそうとする心とか、幼い日のともに過ごした時間とか―――そういうものが凝縮されている。

穴穂が木梨を討ったときは、悲しくもほっとした。
(ていうか、木梨さんがヒロインのような死に方だったよ)

●あー、でも最後に「涙の止まるおまじない」(だったっけ)をやられるのはダメでした。
「ベタなのきた!」と笑っちゃって……。
客席で泣いておられる方もおいでだったというのに。

ここはもうちょっとサラッとやってくれたほうが、感動する余地が残されたんじゃないかと思う。
感動って見る側の内面的なものだから、「涙の止まるおまじない」というベタな装置を出されるよりも、それをうまく思いおこさせる部分がほしい。

●穴穂は青から出生の秘密を告げられ、「正当な後継者」という内実を失う。
失ったがゆえに声高に自分の正当性を叫ばなければならない。
そして兄を陥れる。

偽物である自分がなにものかであるためには、本物を追いやらなければならない。

動揺して、場に追いつめられて、嘘をつく。
「兄上の優しさは弱さです」と言っていた当人が、弱くなる。

穴穂も木梨も、いいキャラクターだった。
いい主人公たちが立っているから、いい芝居になっていた。

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月組

Posted by hanazononiyukigamau