『Bandito-義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ-』感想・7

月組

・今作品のヒロインは貴族の娘で修道女見習いのアマーリア・ディ・ヴァッレルンガ。
なぜ修道女見習いかというと、簡単に言えば「捨てられた」から。
アマーリアもまた、ままならぬ生を生きています。

ここから出たいと思いつつ、諦め、その地で一生懸命に根を張って生きようとし、また絶望しそうにもなり、ジュリアーノに救われもし……。
彼女も「こんなところ出て行ってやる」と思って生きている登場人物たちの、一つの形態。

演じているのはわかば。
登場シーンは尼僧姿。
客席でふるえずにいられない歌を歌ってくれます。

わかばは、ほんとに声がなぁ……。
歌そのものというよりも、ほんとに声が……。
私は音が外れているかどうかはあまりわからない耳音痴なのだけれど、そのぶん声の好き嫌いに大きく左右されるんです。
ご本人とファンには申し訳ないけど、わかばの声はどうも苦手だわ。

歌だけでなく、芝居も微妙。
セリフの間がもうちょっとどうにかならんかと何度か思った。

ジュリアーノの手当てをするときに尼さんのベールを取って金髪があらわになったところは美しく鮮やかだった。

それとフィナーレのたまきちとのダンスはとてもいい雰囲気。
2人とも笑顔で楽しそう。
同期で主演コンビということもそうそうないですが、「よかったねぇ」という気持ちになりました。

・フィナーレは全編よかったんですが、たまきちが1人で女性を相手にしているように踊っているところも好き。
1人なのにちゃんと相手がいるように感じられた。
包容力があるのがいいわ。

そして華やかに見えたのがなんだか不思議だった。

・たまきちジュリアーノが故郷に帰ってきた場面、お姉ちゃん(まあいちゃん演じるマリアンナ・ジュリアーノ)に「私の英雄」とキスされるときの「勘弁してよ、姉さん……」な顔がすごく好きです。
男の子っぽいの。
女にはいろんな意味で勝てない感じがなんか可愛いのよ。

・そういえば、2月8日の11時公演、ごあいさつでたまきちが「この公演も残すところあと3日となり……」と言いました。
後ろで聞いていたジェンヌさんも目を丸くしてました。
たまきちは「あと3回」を「あと3日」と言ってしまったんですね。

「宇月さんにさっき確認したのに……」と、やっちまった!状態になっているたまきちはなんだかとっても「たまちゃん」な雰囲気でした。

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月組

Posted by hanazononiyukigamau