月組『ベルサイユのばら』-オスカルとアンドレ編-感想・3

2021-02-13月組公演感想,月組

えりたんのアンドレは、予想に反して繊細なものでした。

今までのイメージだと「えりたんはえりたん!」であって、何かの役をやっても「○○役をやってるえりたん」という印象が強かったんです。
役になるというより、本人のカラーで元の役を染めちゃうような。

でも今回は「アンドレをやってるえりたん」よりも「えりたんが演じるアンドレ」な感じでした。
うまく伝わる書き方になってるかどうかわかりませんが……。

アンドレが繊細で優しくやわらかいからこそ、まさおのオスカルと「カストルとポルックス」に擬して違和感がないのかもしれません。

オスカルへの想いを語る独白が夢見るようで、とてもポエティックでした。
アンドレにとってのオスカルが、いかに輝く女神であるかが伝わる。

ベルばらはカーテン前での芝居が多くて、ソロや少人数でのショーアップされてない場面も多い。
だから退屈になりがち。
でも今回のベルばらはそうは感じなかった。
テンポのよさなどの演出上の計算はもちろんあるにせよ、やはり役者の力だと思う。
みな、ソロで場面をつとめて観客を引き込むだけの力がある。

オスカル毒殺未遂のくだりはちょっと昔を思い出して懐かしかったです。
かつての雪組時代、えりたんは「挫折専科」と呼ばれてたんだよなー。
どんなに(芝居上で)落ち込んでも、当時のえりたんとは別物なんだけどさ。

今宵一夜は深い愛が感じられました。
それを受けてか、まさおのオスカルも涙ながらの熱演でした。

えりたんのアンドレはとてもよかったです。
大人っぽい深さがあって。

でもいくつかネタ的につっこませていただきたい。

ひとつめ。
セーヌ川にかかる橋の上で撃たれたあと。
起き上がろうとする脚がぷるぷるしていて産まれたての仔馬のようだった。

ふたつめ。
ガラスの馬車で迎えにくるところの歌うような「オースカール」の呼び声がちょっと面白かった。
飛ぶ馬車よりこっちのほうがむしろツボだな。

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