月版梅芸ミーマイ感想・3

2023-06-23月組公演感想,月組

●ミーマイの公演時間は3時間15分。実際はあと数分長いかもしんない。
ショーナンバーは楽しいし、芝居も面白いし、フィナーレが充実していることもありあっという間に終わってしまう。

アドリブだらけ。
初日から驚くほどいろいろやっていたが、3日目になる日曜にはさらにすごいことになっていた。
なんせアドリブがまさおのビルだけじゃなくすーちゃんのマリア公爵夫人からもばんばん出るようになったので。

アドリブについては多少やりすぎとは思いますが、複数回観たいと思わせるための努力なのかな。

●前にも書いたけど客席降りもがっつり。

3回ありますね。
ランベスとフィナーレは舞台上にもジェンヌさんがいるからまぁいいかなと思うけど、2幕はじめのジャッキーとジェラルドは2・3階席は声しか聞こえないんだろうなぁ。
バッジも絶対に貰えないしな。

3階席は安いから仕方ないと思うけど、2階で1階席と同じ金額を払ってるとちょっとイヤかも。

●マギーさんのパーチェスターは最高。
ビジュアルの美しさと歌のうまさ、芝居の面白さで目を離せない。

マギーさんの歌は耳のよい方には上手くないと言われることもあるんだが、なんかあの声量と声質でごまかされちゃってねー。
ええ、大好きです。
仮にハッタリだとしても、上手いと思わせ、感動させられるならそれで充分なのですよ、きっと。

「家つき弁護士」の歌はぜんぶ持ってくなぁ。
この場面、完全に主役ですよ。
なんかすごいのきたー!! って舞台と客席の温度が急上昇ですよ。

でもこのパーチェスターさん、ふだんは膝を閉じ気味にしている大人しい人なんだよね。
お茶は正座で飲むし、マリアさんに粛々と従うし。
とっても「従僕」な悲しさがあります。

そんな人がこの歌のときだけ「私はすごいんだああああああ!!」と爆発するんです。
この差がまた悲しくも愛おしくてかわいい。

●ちゃぴのサリーは期待どおりの素晴らしい出来。
本当にサリーだ。
生き生きしてて一生懸命でけなげで強い。

ちゃぴサリーのいいところは、そういう演技面での自然さと、歌やダンスの技術が同居していること。
ああああ素晴らしいヒロインだなぁ。
ほんと、よくやった。

よくぞ宝塚に入ってくれた。
そしてよくぞ娘役に転向してくれた。

サリー初登場の食卓のシーンで、邸内のものを持ち帰ろうとして持ちきれなくなる。
いっぱいいっぱいの状態でビルにボトルをいらないのかと聞かれての「いらない」の言い方がすごく好きだ。
さらっとしてて子供みたいでかわいいんだよね。

はじめて邸を訪れたときの「ミー&マイガール」(主題歌)は歌もさることながらダンスがいい。
ちゃぴの軽やかな足さばきがいいわ。
ぴょんと脚をはね上げるのも、ふわっとジャンプするのも観ていて楽しくなる。

「あなたの心を一度なくすと」の歌は泣ける。

「ランベス・ウォーク」では自分の目論見が外れて少々渋い顔をしていたのが途中であきらめて生き生き踊りだすのがいい。
ほんとにビルはしょうがないなぁ、って顔をしている。

「顎で受けとめて」は歌っているときの複雑で思いやりを感じさせる表情もいいけれど、歌が終わってライトが落ちて、図書室の場面になるまでの表情の変化がいい。
ビルに別れを告げる覚悟、気持ちを整理しようとする感情の流れが伝わる。

最後に美しく変身した純白のドレス姿は美しかった。
長身で細身な体躯に優雅に映える。

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