水美版『ME AND MY GIRL』を見たんだ・1

星組公演感想,星組,専科

マイティー主演の博多座公演『ME AND MY GIRL』10月29日15:30の回をライブ配信で見ました。

元月組98期のありちゃんと主演役替わりのため、演者による違いも楽しいところです。

花組育ちのマイティーゆえか、衣装の着こなしは抜群。
サリーを探しに夜のランベスへ戻るシーンの燕尾服やトレンチコートは絶品でした。

そしてダンサーでもあるので、ダンスシーンだけでなく随所に動きにキレがあり、美しい所作が目を引きました。
ミーマイはミュージカルだから歌のほうが表に出がちだけど、ダンスや動きがいいビルというのもあり。というか、大事なんですね。
帽子芸もさすがでした。

ヒロイン・サリーのひっとんとは、花組時代に一緒に過ごした仲。
それゆえの気安さや、安心感も見え、アドリブも大量に入れて笑わせていました。
花組時代からずっと追ってる人は嬉しいだろうなぁ。

ただ、このアドリブがくせもので。
残念ながら、私には楽しみきれないものでした。

「お嬢様にシェリーを」「サリー、シェリー、サリー、シェリー」「エヘヘヘヘ」

と細かく細かくアドリブを入れてくる。
これが正直なところうるさい。

駄作だったり、退屈な作品ならアドリブでお客さんの気持ちをつなぐのはいいと思う。
けれど、ミーマイは普通に演じてもいい作品だからね。アドリブやりすぎはおふざけに見えるんですよ。
アドリブによって物語の本筋が見えにくくなって、かえって冗長になる。

マリア公爵夫人との図書室の場面も同様。
マリアを演じる下級生ほのかを笑わせてしまって舞台の流れが止まるとなると、ミーマイという作品を楽しむのではなく、マイティーのアドリブという個人ショーを楽しむことになってしまう。

それが楽しい人もいるでしょうが、私は「ミュージカル」を楽しみにしてるのですよ。
アドリブはあくまでスパイス。
マイティー版のミーマイは、チーズや胡椒が効きすぎて、土台の味がわかりにくくなった料理のような感じを受けました。

エンターテイナーとしての血が騒いだのか、ありちゃんとの役替わりゆえに違いを見せようとしたのか、とも思いますが……。
物語を正面から楽しめるものであってほしかったな、と思います。

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