水美版『ME AND MY GIRL』を見たんだ・2

・マイティー版のときはひっとんのサリーも演技が濃いめ。
初めて登場しての「よろしく」も足を大きくがに股にして、品のない女の子を演じる。
下町育ちでそのまま魚屋のおかみさんになりそうな(そしてたくさん子供を産みそうな)女の子。
声もだみ声気味にしている。

ありちゃん版のときはここまで大仰なつくりじゃなかったと思うから、主演に合わせてサリー像を変えてたんだろう。
役替わりする主演2人(マイティーとありちゃん)も大変だけど、合わせるヒロインもお疲れ様です。

2幕の図書室の場面、あえてバカなふりをしてビルとは違う世界の人だとわからせる芝居をしてるのも上手い。
けなげなヒロインです。

演技だけでなく、「一度でもハートを亡くしたら」「顎で受け止めて」などのソロも秀逸でした。

もしゃもしゃしたショートのカツラは歴代には似合わない人もいるんだけど、ひっとんはとても可愛かった。
でも最後の白ドレス姿は見慣れたひっとんの姿で、やっぱり宝塚のヒロインだなぁと感じさせてくれる美しさです。

フィナーレはダンサーひっとんの面目躍如。
ロケットセンターのダルマは、超脚長でスタイルが良すぎて脳みそがバグる。

デュエットダンスの前にひっとんのソロダンスがあるのいいなぁ。
ロケットセンターもひっとんだったし。

だいたいにおいて、宝塚の公演のフィナーレでトップ娘役の出番が少なすぎることが多いのは不満でした。場合によってはデュエダンしか出番ないよね?ってこともあるじゃないですか。
ダンサー娘役ならいつだって今回のひっとんくらいの見せ場がほしいものです。

マイティーとひっとんのデュエットダンスは淡いピンクの衣装で。
花組時代を思い出しましたね。

・マイティーのビルは銀ちゃん味があるなぁ、と。

ありちゃんビルは笑顔の下にあるのは怒りで、マイティービルは笑顔の下に哀しみが隠れてる気がしました。

・ありちゃんのジョン卿はダンディーで、こちらは厳格な紳士に見えた。
眼光鋭く、不屈の精神でマリアともワンチャン狙ってそうだな……という感じ。
艱難辛苦があろうとも、臥薪嘗胆、ずっと機会を待ち続けて30年、みたいな。

勝手に、本人の根っこの暗さがいい感じに出てるな……と。

そういう不屈の精神のお堅い人が、酔っぱらって内面を見せて距離を縮めてくるの楽しすぎるよね。

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