『信長疾風伝/Passionne』をみたんだ・1

OSK

OSKのたけふ菊人形公演『グランドレビュー2011 ~信長疾風伝 戦国の絆/Passionne(パッショーネ)~』を観てきました。

第60回たけふ菊人形の記念公演ということで、OSKのトップさん御降臨というありがたいことになっております。
といって、それ以外は例年とさしたる違いはない気はするんですがね(ばっさり)。

あ、今年は音響がよかった気がする。
音が割れてなかった。
聞きやすいって素晴らしいな。

あと父曰く、前回みたとき(おととし)より背景がよかったそうである。
私は特に思わなかったが、本能寺がおちるときに天井の梁がくずれおちるのは「おお!」となった。『美しき生涯』の北ノ庄落城のシーンを思い出した(って関係ないな)。

今年は信長を主役にした芝居をやったあと恒例のやんしき踊り、そして3人の客席トーク、そのあと洋物のショーという形式でした。
全部で70分くらい。

芝居は大河ドラマとかぶせることが多いので、今年は信長とお江を主役に据えたものになりました。
もちろん桜花さんが信長、朝香さんがお江。

で、芝居の感想なんですが、正直どう思っていいのかよくわからない…。
つまらなかったわけではないんですが、面白かったとも言い切れず、感覚的に一番しっくりくる言葉としては「据わりが悪い」。

信長の妹がお市の方で、その娘のうちの一人がお江。
つまり主演コンビは伯父と姪という形になる。当然恋愛関係にはない。

誰からも恐れられている信長と、それになついているお江。彼女は信長を恐れない。
信長は武田征伐をきっかけに光秀に謀反心を生じさせ、本能寺で蘭丸とともに果てる。
ラストシーンは秀忠に嫁いだお江が、織田家にゆかりのある越前にて信長を回顧したところで幕が降りる。

血縁関係にある2人だけど、だからどうだっていう。
大河ドラマの「江」と、地元である越前(織田家が発祥した織田町が越前市近隣の越前町にかつてあったからね)と、時代物の主役としてふさわしい信長を組み合わせて選ばれたんだろうなーとは思うんですが、これが主演コンビの役です、となるとどうも。

主役が信長なのはいいとして、それに対するヒロインが江だから据わりが悪いんだろうな。
主役信長、2番手(敵役)光秀、ヒロイン蘭丸と思えばいいのかな。

観ながら思い出していたのは雪バウ『灼熱の彼方』でした。
信長がコモドゥス、江がウィビア。

主役である誰もが恐れる暴虐な君主には理解者が必要だが、それは1人でいい。
もし2人理解者をおくならそれぞれ違った役割を果たさなくては意味がない。

蘭丸は信長を理解し、忠義を尽くし、身を挺して戦い、死ぬ。
そして亡骸は信長の腕に抱かれる。

それに対して江は信長を恐れない姪であるところと、光秀のようすに嫌な予感をおぼえるってこと以外に役目がないからな。
信長と会話はするけど、たいして絡まない。
信長を理解するけれど、それだけだったら蘭丸ひとりで充分なんだ。

いてもいなくても影響ないんだよな、このヒロイン。
演じる朝香さんがどうこうというわけではなくて、信長自体がそういう男で、こういう話なんだから仕方ない。

男役のトップがこうなら娘役のトップはこうあるべき! という思いこみを排せば、もしかしたらだいじょうぶなのかもしれん。
繰り返すけど、つまんないわけではないのです。

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Posted by hanazononiyukigamau