『カサブランカ』感想・7

今回改めて芸達者ぶりに舌を巻いたのがルノー大尉のみっちゃん。

ほんとうにすごかった。
腹芸見せまくり。
芝居が硬軟とりまぜてて、ギャグが寒くなくて(これ大事)、ものすごく笑わせてた。

アリスに握手を断られてがっかりするところや、
ニックから「女と一緒に逃げる」「イルザとパリで付き合ってた」話を聞いて帽子を落とすところとか。
間のとり方が最高。

今までみっちゃんのギャグはあまり好きじゃなかったんだけど、あれは脚本が寒かったんだな。
みっちゃんが実力発揮できるように作られてなかっただけなんだ。
役不足だったんだ。

歌もすごい。
最初のナンバーの終わりぎわ、タバコをくわえながら歌うのに歌詞が明瞭に聞こえるんだ。なぜだ。

最後の空港の場面が好きだ。
(以下、少々ネタバレ入るので読みたい人だけドラッグして反転→)イルザとラズロを逃がすためにドイツ軍人のシュトラッサー少佐をリックが撃ったあと。
ルノー大尉は犯人がリックだということは当然知っている――現場にいたのだから。
それなのに警官たちに「犯人を探せ」と指示しリックを逃がす算段をする。

ここの、表向きは強い方になびいているようでいて、
実際にはドイツに服従せずに、フランス人としての矜持をもっているのがかっこいい。

それから、ドイツ国歌とフランス国歌のかけあいのシーンも。
ドイツ側と一緒にいたのに、いつのまにかフランス側についている。

この辺だけみれば「ルノー大尉ってすごい人なんじゃん!」なのに、実際のところ、すごく厄介でイヤな人物である(ヤン・アニーナ夫妻のくだりとか)のもたしかで。
アブラっぽい、多欲なおっさんぶりがこれまた見事。

多面性がすごい。
一人の人物の多面性に無理がない。

舞台人スキルにただ溜息をついた。

みっちゃんは歌えて踊れて芝居ができる。
それも、好きとか嫌いとかを超えて、金を払ってでも見たくなる芸の持ち主なんだ。
ただ上手いだけならとりたてて「見たい」とは思わない。

迫力がある。
惹きつけられる。

彼女は何をみせてくれるだろう?
今度はなにをやらかすだろう?
どんなふうに演じてくるのだろう?

どんなふうに、予想を裏切って、超えてくるのだろう?

わくわくする。


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