『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』感想・1

2022-10-15宙組

初日明けの土曜、『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』の9月1日の11時公演と15時公演を観てきました。

先に断っておきますが、私が銀英伝の原作本を読んだのは20年近く昔だし、道原版のコミックスを読んだのもたぶんそのくらいのころ。
そして先日、観劇を前にしてコミック文庫版のマンガを再読しました。
であるからして、原作に詳しいわけでは決してないです。
原作の記憶はむしろあいまいだと言ったほうがいいでしょう。

だから、これから書く感想はズレていたり、原作をきちんと踏襲できていない可能性があります。勘違いもきっとあります。
変なことを書いていたらすみません、と先に謝っておきます。

あと、ネタバレ要素含みますのでご注意を。
(避けたい方はブラウザバック推奨)

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原作が長大な作品だし、舞台化するための時間的制約があるし、「宝塚」という場で上演するにあたっての約束事その他いろいろ事情があるので「@TAKARAZUKA」すなわち「宝塚版」となってるのは当然のこと。
同盟側の軍人はほとんど出てこないなどの宝塚版銀英伝になってました(シェーンコップとか好きだったけど仕方ない)。フレデリカもチョイ役だったよ。

でももっとも「宝塚版」として変わったな、と思ったのが、主人公ラインハルトのありかたに関わる部分。

主に2点。
皇帝の死と、ヴェスターラント攻略。

原作では皇帝の死を迎えてなおラインハルトは姉を奪った皇帝を憎んだままだ。
それが舞台版では、死の床に呼び寄せられたラインハルトは皇帝は全てを見通していたことを知り、銀河帝国の未来のために門閥貴族を倒すことを決める。
復讐心は捨てるのね。

その流れでヴェスターラント攻略。
原作では貴族を倒すためにオーベルシュタインの策を受け入れ、ヴェスターラントを住民もろとも滅ぼすことを決める。
それが舞台版ではオーベルシュタインの策は却下を前提とした保留の体にして、ブラウンシュヴァイク公の攻撃が早まったという不可抗力によってヴェスターラントが核で滅びる。

男役トップのあるべき姿(?)に合わせてか、お披露目だからという意味合いもあるのかわかりませんが、原作より「白の主人公」度合いが高い。

この改変によって、よく言えば人格的に高まった。善玉として受け入れやすい作りになった。
悪くいえば、銀河を征するになるには小物になった。

あと、ストーリー全体の印象としてエグみはだいぶ減るよね。
戦略上の理由があるにせよ、主人公が無辜の民が虐殺されるのを見過ごしてはさすがにヤバいもんね。
家族で観られる宝塚、だからかしら。

どっちがよりいいかの判断はつかないです。
私個人の好みとしては、ダークな部分をそのまま持った原作版のラインハルトのほうが好きだけれど。

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