『はいからさんが通る』配信を見たんだ・2

2020-12-30花組公演感想,花組

・新たに北小路環様に配されたのは音くりちゃん。
歌もダンスも大の得意で、芝居もできる優等生です。

が、正直なところ環様は違うかな……と。

華族のご令嬢で優等生ながら、男尊女卑なんてまっぴら!なモダンガール。
女学校でも外の世界でも人々の憧れの女性。

その「高嶺の花」っぽさや、華族の出の華やかさなどに欠けた。

芝居の、それも原作のある作品のキャラクターを演じるというのは難しいもんだなと思う。
技術はもちろんほしいけれど、それよりも「柄」に合うかどうかの方が芝居の出来に影響してしまう。
音くりちゃんは、どうにも役柄が狭いのが難点なんだよね。
これが原作のない初演の作品なら、そういうものとして観客にも受け入れられたのかもしれないけれど。

今回の再演、前回(DC版)の配役を踏襲するという縛りでもあったのかな。
そうなると、スターの序列的に娘2格の環を演じられる娘役は限られるわけで……それで音くりちゃんに白羽の矢が立ったのかと。
そうでないなら、うららちゃんか(歌はとりあえず不問)、いっそ男役に回してもよかったのではないかと思う。(あ、具体的に男役の誰でということはないです)。

それでも、2幕初めのモダンガールズのシーンは小気味よかったわ。
めちゃくちゃ歌って踊れる音くりちゃんならでは。

エトワールも素敵でした。
高音が伸びるわー。ほんと気持ちいい。

・演技力云々ではなく役がハマる、という意味ではゆーなみの印念中佐はぴったりでした。
小悪党がほんとしっくりくる。

いちおう新公主演も0.5回やったし、パレードの大階段もセンター降りしてるから路線には片足くらい残してる感じなんだろうけれど、いっそ今回みたいな方向を極めてほしい。
「善良そうな主人公のお友達役」とかより、よほど本人の持ち味を生かせて、舞台に貢献できるはずです。

0