『はいからさんが通る』感想・2

2020-10-14花組公演感想,専科

花組シアタードラマシティ公演『はいからさんが通る』初日に続いて10月8日(日)16時公演を観てきました。
2回目でこれがマイ楽。
これから芝居がどんどん進化していくのでしょうが、それを観られないのが残念です。(でもツテなしで2回観られただけで充分運がいいほうだろうな)

・お遊びを入れようとすればいくらでも入れられそうな公演です。
タソ牛五郎がほのか蘭丸に「男は辛いよな」と酒を注いでたのはアドリブかな? 自信はないですが……。

華ちゃん紅緒が冗談社に貼りつける紙は日替わりだと思う。
何パターンあるのかわかりませんが、初日は「認めよう しょせんあなたは 三流品」みたいなので、8日16時は「あなたは上役 私は部下 同じ米くって なにちがう」みたいなのでした。

初日の観劇で関東大震災でもびくともしない花瓶に思わずつっこみましたが、8日にはしっかり倒れるようになってました。

・あ、初日は初日ゆえかちょこちょことミスが。

紅緒が伊集院家を出て行ってしまったあと、伯爵夫人が伯爵にお茶を勢いよく叩きつけるところで湯呑が勢い余って落ちました。
じゅんこさんは「あー! あー!!」と湯呑を指さしてアドリブ対応。
くまくまちゃんは笑いをこらえてる感じがありました。
かれーちゃんはこの場面、後ろを向いててよかったよね。

あと、かれーちゃんはシベリア出兵の場面でマイティー鬼島に婚約者である紅緒の写真を見せたあと、ポケットにしまうのに苦労してました。
ポケットの位置わからん!みたいな感じで。

・かれーちゃんの伊集院忍少尉は麗しくあたたかい。
どの衣装も似合う。スタイルがいい。
美形って素晴らしいなぁ。

少尉はいい家に生まれ育ちながらも出自の影が彼に多くのことを教えた。それが彼の人格の深さにみえる。
包容力があり、快活で気持ちのいい少尉でした。
女たらしと紅緒に言われるけど、軍人としての芯もあるいい男です。

ソファでの紅緒さんとのやりとりもよかった。
ていうか顔近いよ!
あの顔でぐっと近づかれたらどうしていいかわからなくなるよ!

さんざんからかったあとのほっぺたへのキスはときめきポイントだ。

・ヒロインに抜擢された紅緒役の華ちゃんは頑張ってた。
まずは見た目が可愛いのがいい。
この手のものは可愛さである程度は世界観ができてしまうから、ビジュアル的な底上げがあるのは強いよね。
幕間休憩中、何度「華ちゃん可愛い」の声を聞いたことか。

変顔しても品がなくならないのは彼女の良さ。
ソファでの場面で目を閉じてじたばたしてるさまに『逆転裁判』で真宵ちゃんやってたれーれを思い出した。
大きくもないからかれーちゃんたち男役さんと並んだときの「女の子」感もばっちり。

1幕の女学生時代の百面相は面白いし、2幕の雑誌社勤め時代のけなげさもいい。
一番「おおっ」と思ったのは1幕終わりに白喪服を着て出てきたところ。
髪を切り、少尉の不在のなか伊集院家を守る決意をする。
きりりとした美しさのある少女ぶりは、可憐さと強さのある、まさに「マリンカの花」でした。

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