月中日『風と共に去りぬ』感想・1

月組,専科

月組中日劇場公演『風と共に去りぬ』2月22日11時公演と15時30分公演を観劇してきました。

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●梅芸公演から約1年を経ての再演。
「こんなんだったっけ……?」と思うところはあるけれど、いかんせん前回1度しか観劇していないのでわからない。
芝居(演技)は進化(深化)していたのか退化していたのか、それも正直なところよくわからない。

いつものことですが、受けた印象のみ書きます。

●プロローグからアトランタ駅のあたりまでは、登場する人たちが梅芸で観たのよりくっきりしていた印象。
キャラクターがつかめていたという意味ではなく、演じ方の問題なのかな。
クーピーで描いた絵みたいな感じ。
(だから進化か退化かわからない)

●まさおはまさお節が絶好調で……いや、これを「絶好調」と評していいのかどうかわかんないけど。
芝居としてそれがいい方向に出ているという意味では決してないし。

プロローグから最初の夫を亡くすあたりまではよかったんだけど、それ以降はとっても「歌舞伎」。
「宝塚歌舞伎」とか「植田歌舞伎」とか言うけど、これは「まさお歌舞伎」としか言いようがなかった。
セリフ回しがとっても変です。

楽しい場面やテンポよくやりあってる場面はいいんだけど、嘆く場面や切々と訴える場面、叫ぶところなんかは、ほんとにもう凄かった。

1幕終わりにタラでマミーと再会するところなんて、「マァ~ア~~ミィィ~ィ~~」ってどんだけ抑揚つけるねん!
真似して遊びたいわ!

2幕終わりに去りゆくバトラーに許しを乞うところも、セリフ回しが面白すぎて、シリアスな場面なのにコメディに見えた。

『風共』はシリアスな話にコミカルなところが混じっているものだけれど、今回はコメディ多めに見えた。
その理由の大半はまさおのスカーレットです。
というのも、スカーレットが心からなにかを訴えるシリアスな演技が、それがスカーレットが心にもない嘘を言ったり人をだまそうとしたりする場面のコミカルな演技とあまり変わらないのね。
どちらも大芝居で、スカーレットがわざとらしい大芝居をするか、まさおが期せずして(?)大芝居になっちゃってるかの違いくらいなもので。

面白いのはセリフ回しだけじゃありません。
アトランタからタラに戻る場面、戦線に出ようとするレットに呼びかけますが、そのときのポーズが「はい、ここキメ!」とばかりのポーズです。
歌舞伎の見得を切っているかのようでした。

そんなまさおスカーレットなので、とっても変でした。

ただし魅力がないわけではありません。
「変。でも可愛い。でも変」と、7:3くらいの割合で可愛いと思えてしまうから困ったものです。(あ、「変」が7割です)
ワンコみたいで可愛いんだよねー。

セリフ回しはアレですが、歌えるのはいいですね。
歌っているときはまともなので、全編歌にしたらいいんじゃないかと思いました。
(『PUCK』は素晴らしかったなぁ……)

そして相手役が理事様。
男の中の男のバトラー。
変なスカーレットでも悠々受け止めてくれます。
(途中、これが星風共のべにーさんバトラー相手だったらどうなっていただろうなぁ……と想像して、脳がわけわかんなくなりました)

まさおのスカーレットが変な子であればあるほど、バトラーさんの余裕綽々ぶりが際立つような気もします。

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