『南太平洋』感想・1

星組

なにはともあれ、ヒロインのネリー=風ちゃんの話。

ネリーはとってもアメリカンでした。

明るくてくったくなくて、喜んだり悩んだり泣いたり……忙しい。
風ちゃんはそれをとても生き生きと演じてました。
こういうアメリカンガール、きっといるわ! と思うほど。
キュートでした。

芝居うまいなー。
歌もOK。 アレ? と思ったところもないではないが、耳音痴なので気のせいだと思う。
実力派の娘役さん。

ただ、どうにも「宝塚」の舞台のヒロインを観ている気にはなりませんでした。
どこかわからないけど外部の舞台。
外部のミュージカルでばーんと主役を張ってる女の子のイメージだ。
男役が主役で、その相手役として立ってる娘役って感じじゃない。

原因の第一は、やはりビジュアルなんだと思う。
すっぴんはかわいいと思うんだけど、どうにも舞台メイクがいまいちでなぁ……。メイク映えしない顔なのかしら。
なんだかとってもファニー。

ネリーは明るいアメリカンガールなのでものっすごい高貴な美女を求められてるわけじゃないんだけど、それでもある程度「ああヒロインね」と思えるなにかは欲しい。
普段がファニーでチャーミングでもいいから、せめてパーティーの場面で美しくパーンと出られるだけのハッタリがあったらなぁ。
ハッタリでいいのよ、ハッタリで。それがほしい。

とはいえ楽しかったです。
実力のある娘役さんが真ん中をつとめてるっていいものだ。

ナンバーも多くてびっくり。
理事様より多くないか? ってくらいあった。そのへんがまた「ネリーが主役」感の原因でもあるんだけど。 

女の子たちを引き連れての「あの人を洗い流そう」は楽しかったなぁ。
シャンプーをがしっとつけたのにはびっくりしたわ。
カツラ大丈夫なの…?! (後からせっせと直すのかなぁ)

ジョセフ(真風)が亡くなったときに、リアット(綺咲嬢)をだまって抱きしめるのもよかった。
従軍看護婦として生きてきて、過去にもきっとこんなふうに大切な人を亡くした遺族と会うことがあったんだろうな。
彼女の生きてきた道のりと、包容力を感じさせました。

そしてラストシーン。
子どもたちと食事をしているときに生還したエミールと再会する。
どかっとスープ鍋を理事様の前に置き、スプーンかわりにおたまを渡す。
そのばかばかしさに笑いつつも、泣けました。

感動的な最後でした。

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星組

Posted by hanazononiyukigamau