『ドン・カルロス』感想・2

雪組

今回のキムみみはまともに恋愛していた。

身分差が障害になっているものの、恋愛感情は最初から互いにもってるのだよな。
だから「え、いつの間にそんな関係に?!」と思わなくてすむ。
本公演の2本立て芝居部分約100分の間で出会って恋をして互いの気持ちを確かめあって障害に立ち向かいエンディング……って、時間的にむつかしい。
最初から「できてる」関係なら最初の部分ははしょれるので、楽。
観ている側も「ああそういう前提なのね」ですむし。

出会って好きになって…部分が必要ないから、それ以外のところに時間を割ける。
今回の芝居で2人の恋愛がよかったのは、そういう設定上の理由もあったんじゃないかな。

――というのが今回のひとつの発見でした。
だからどうだってわけじゃないんだけど。

ドン・カルロスのキムラさんは、白くてきちんとしてて優しくて、そりゃーいい王子様でした。
レオノールのみみちゃんが王妃様からの手紙を持ってきてくれたときに自分にわざわざ会いにきてくれたと思ってぱあぁぁって輝かせる顔とか。
違うと知っての残念そうな表情とか。

超ストレート。
(マサツカ物では絶対出てこないタイプの男だわ)

彼は表情だけでなくて発言もストレート。
身分が違うから、と弁えようとしがちのレオノールに「カルリートだよ」と一緒に生活していた子供のころに呼ばれていた名前を言うところとか。
舞踏会の場面だっけ、「もう離さない」とか。

うううううなんという王道。
ぎゃあああこれは身もだえすればいいの?
なんかすごいもんをみた。

しかし、演じるのがキムラさんだとまともな白い王子様ものであって、物事を斜めから見ずに普通に少女マンガにきゃーきゃー言ってた小学生のころに戻れるわ…。
これを別の人がやったら違う意味で身もだえしそうなのに(たとえばドン・カルロス役が某赤い人だったらほぼ確実に腹筋が辛いことになってただろうな)。

ビジュアルがきれいな正当派ができる人ってすごいなー、と思いましたよ。

0

雪組

Posted by hanazononiyukigamau