娘への愛と娘が受け取った愛

雪組

つかこうへい著『娘に語る祖国』を読みました。

続編(満州駅伝)を以前に読んでいるんですが、本編ともいうべきものをようやく読めてよかったです。
これを図書館で借りてきたのはつかさんが亡くなる前。
偶然なんですが、なんだか不思議な気持ちです。

4才のみなこへの愛、在日韓国人である自分のこと、韓国に芝居を作りに、そして「祖国を探しに」行ったときのことなどが描かれています。

この本でみるつかさんは、なんだか銀ちゃんをほうふつとさせるような感じの人でした。
特に、演出家として韓国に向かったときは。
言っていることがときによって矛盾があってむちゃくちゃで(本人自覚済み)、近くにいたら大変かもしれないけれどもなんだか愛嬌があるところが銀ちゃんのようでした。

4才のみなこが「大きくなったら、パパと結婚するんだ」と言うあたりはお決まりだけど微笑ましい。

そしてパパであるつか氏がみなこへの愛を語る言葉は泣けます。
たとえば、こんなふうに。

おまえは、パパがこの世の中で得た唯一の真理であり、無垢なるものです。

それから、こんなふうにも。

みな子よ、パパはお前が、のびのびと育ってくれることを願っていますが、ただ、人の傷みや哀しさのわかる人になってもらいたいと思っています。傷つく女になってもらいたいと思っています。実際お前の傷ついている姿を見たら、パパは狂おしいほどつらいでしょう。…(中略)…だから、お前も傷ついても、最後には「明日はきっといいことがある」、そう思ってください。

親の愛はすごいな。

みなこはこの愛を受けて日本と韓国のあいだに散骨しにいくのだろうか。


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雪組

Posted by hanazononiyukigamau