『ヴァレンチノ』感想・3

みーちゃんのジョージ・ウルマンはすごくかわいくて面白くて、とてもいい男でした。
いい男っていうかいいヤツ。

最初の登場シーンですみ花ジューンから電話を受けてくどきはじめて「切らないでくれる?!」となるところのかわいさと悲しさ。

新聞から顔をあげたら流行のヴァレンチノヘアーになっているところ。

ジューンに「今日は何の日かわかる?」と訊かれて「(自分とジューンの)婚約記念日」と答えるアホさ。

もう全部かわいい。

性凝りなく何年もくどき続けていて相手にされてないのがかわいそうですが、妙に仕方ないなと思えるのがみーちゃんのかわいげでございます。

でも彼のよさが出てくるのはやはり2幕。

ルディーが原因で職を失ってニューヨークで暮らすようになり、後年ルディーがのこのことやり直そうと言いだす。
そのときの「いいよ」「そのときはそうするしかなかった。そうだろう」という声と目が優しいんだ。

ジョージという男の懐の大きさがみえる。
相手は結果的にとはいえ自分を追いやった男なのに、全面的に受け入れるんだ。

その後も空回りしつづけるルディーのサポートを欠かさない。
記者たちに追いつめられてもどこまでもルディーをかばう。
すべてを取り仕切ってつねにルディーのことを思いやる。

仕事上のパートナーというだけではない、人間的な絆が感じられる。
ともに映画界に身を置くものとしてなのか、ハリウッドで失敗し再起を求めてニューヨークへやってきた男としての共感なのか、共に同じ夢をみたいと思ったからなのか、ジューンを愛した男同士という名残があるからなのか。
きっと、すべてなのだろう。

ジューンに会いたい、というルディーにかけたジョージの言葉、

「もう二度とジューンを泣かさないと約束できるか」

この言葉にはずしっときた。重みがあった。
ジョージはアリスと結婚したけれど、ジューンになんの感情もないわけがない。
かつて愛した女への誠意や真摯さに胸が熱くなる。

2人が再会しうまくいくかと思われた矢先、ルディーの死を迎える。
彼は自分を責めただろうな。
酒場へ遅れたことも、パーティー会場でのルディーを止めなかったことをも。

その1年後ジューンも亡くなり、彼は語り部となる。
ルディーとジューンのそばにあり、翻弄もされた彼の手の中に物語が収束する。

2人はともに眠る。
それが信頼厚きジョージの手により落ち着きを得たのならば、さぞ安らかであることだろう。

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