『虞美人』感想・4
えりたん演じる劉邦はほんとに人がよさそうで、ちょっとアホっぽくて、張良なしではなにもできなさそうなところがハマりまくりでした…って、褒めてんのかこれ。
人々から愛されるのがわかる。
ただ不幸だったのは、もっとも身近な2人(=軍師の張良と呂后)に欲得づくで見られていたこと。
だからこそ戚に安らぎを見出したんだろうな、と思うのです。
芝居冒頭、呂后の「口がきける…!」ではいつじゅりあに首を絞められるのかとヒヤヒヤしながら見てしまいました。
あの后なら夫で天子の劉邦の首くらい絞めますって。
医者も口封じすりゃオッケー。
でももっと衝撃的だったのは、若いころのじゅりあちゃんがちゃんとかわいかったことだ!
悪女じゃない。
こんなかわいらしくて善人っぽいお嫁さんが、世間に揉まれて辛酸を嘗めるうちにかくも恐ろしい皇后になってしまうのですね。
失意の劉邦がれみちゃん演じる戚と出会い「お嬢さん」「お名前は」と訊くところに大ウケしました。
状況が状況で精神的に参ってるはずなんだけど、なんとも言えんびみょーなえりたんの演技(失礼)と相俟って、「ナンパかよ!」「女好きは根っからか!」とつっこまずにはいられません。
女の人をみると声をかけてしまうのは習慣なんですね。
いやもうほんとに面白いんだ。
「劉邦さま~」「劉邦様」と女の人たちに囲まれて鼻の下を伸ばしまくりなのが似合いすぎる。
「モテてモテて困っちゃうな~」なジョルジュさんを思い出しましたよ。
れみちゃんは綺麗でかわいらしい戚夫人でした。
可憐な村娘の風情。
それだけに史実における劉邦の死後に受けた呂后からの仕打ちを思うとものすごく胸が痛んでしまうわけです。
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