6月のメッセージ
数日前に、VISAのみりおのページが更新されてます。
花組博多座公演『あかねさす紫の花』の話が読みごたえがあります。
大海人皇子から見た、兄の中大兄皇子は、足元にも及ばない、男のなかの男。こういう風になりたいと慕い、同時に絶対に敵わないと思う、憧れの人です。兄が自分の妃である額田に想いを寄せて妃にしてからも、なお兄への尊敬の念は変わらない。
(中略)
大海人皇子は、政治力に長けた切れ者の兄を誰よりも尊敬していて、その辛さを理解できる存在でいたかったと思うのですが、どうにもならない苦しさ、やりきれなさがあるからこそ、最後の宴の場面につながっていく。謀反を企ててもおかしくない時代ですが、兄の姿をずっと見てきたからそれもできないし、憎むこともできない。兄との絆を断ち切りたくない気持ちと額田への想いのなかで激しく揺らいでいます。
一方、中大兄皇子から見た大海人皇子は、青さというか視野の狭さを感じる。演じてみると、全く印象が異なるのが、本当に面白いですね。国を自らが動かしていく責任がないぶん、弟のことを少し羨ましくなるときもあって……。ただ、いずれ2人が中心になって国を治めていきたいと思っているので、中大兄皇子なりの愛情で弟に接しています。
れいちゃん(柚香光)とちなつ(凰月杏)が私と同じ役を演じましたが、そういう捉え方があるのだとすごく新鮮で、稽古場から随分と印象が違いました。
まずAパターンで中大兄皇子を演じたちなつは、冷静で的確、仕事に関しては情なく決断していく切れ者という雰囲気。女性に迫っていくときは隠された色気と寂しさが滲む……。私にはできないタイプの中大兄皇子だなと演じていて感じました。Bパターンの大海人皇子、れいちゃんは、想像していたよりも強い印象。額田への執念みたいなものが圧力となっている感覚があり、兄への思いよりも額田への思いが強く出ているのかなと感じます。
そしてそれを受ける側である額田女王のゆきちゃん(仙名彩世)は、同じ役でもまったく変わってきてしまうので、両パターンを演じるのはすごく大変だろうな、と。兄弟が取り合う女性、額田が輝いていないと成立しない作品ですが、冒頭の「あかねさす~」と和歌を詠むところも持ち前の美声で艶があり、香り立つようでしたし、素敵に演じてくれたと思います。
私はAパターンしか観ていないのですが、見比べたくて仕方ありません。
Blu-rayも出ることだし。
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