『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』感想・2

2020-12-30雪組公演感想,雪組

IMG_20200112_095131

・原作からして娘役に役がない。
デボラとキャロルとペギーくらい。

なので、宝塚としては頑張らにゃいかんわけだ。娘役も各組30人くらいはいるし。

原作では1人で踊っていたデボラをバレエ教室に通わせてみたり、
ショーガールのシーンを増やしてみたり、
お祭りやってみたり。

……小池センセイ、頑張ったなぁ。
頑張ったけど、作品としては「うーん」となった部分は多い。

原作でデボラがバレエを一人で踊っているところ、幻想的で孤高の「夢の女」の雰囲気があっただけに残念ではある。

それでも真彩ちゃんは少女時代のデボラを美しく演じていてた。
映画のイメージよりはだいぶいい子で、親しみやすくはあったが。

・いい子になったのはあーさの役(=キャロル)も。
原作ではニンフォマニア的な人物だったのが、ふつーに咲ちゃんマックスと愛し合っていた。
マックスは病んで女に手を上げるところでクソ野郎だとは思うのだが、依存しつつもちゃんと愛し合っているのだった。
愛し合ってるからまぁいいか、となるのもどうかと思うが、まぁ……。

インフェルノのショーガールとして出てくるところはさすがの男役の押し出し。
胸がない……とか、高音は鬼門やなぁ(がんばってたけど)とかも思いましたが、かっこよく美しかった。
黒のミニスカワンピ、黒ストッキングの破壊力よ……。ありがたい。

・だいもんは無様な役を無様に演じる役者である。
宝塚のトップスターであるにもかかわらず、無様に演じきることにこだわりを持っているかのようだ。

1幕ラストの薔薇の場面、「薔薇から生まれた薔薇太郎が薔薇散らしてる……」というろくでもないことを脳内に浮かべていたのだが、ヌードルスのドン・ジュアンとの決定的な違いは「かっこよくなさ」である。
表情、ラストのキメにもかかわらず、かっこよさや美しさを追求してないよね?
方向性こそ違えど、『ファントム』のエリックがクリスティーヌに逃げられたときのようなみっともなさであった。

いやぁ、これで1幕目の幕を下ろすか望海風斗。
というか、これでこそのぞさんという気もする。

0