『ロックオペラ モーツァルト』感想・2

2020-12-30星組公演感想,星組

近年の歴代星組のファン(特に先代)にとっては失礼な言い草の一つに「星組じゃないみたい」というのがあります。

歌がうまい、芝居がうまい、ダンスがうまい、出演者の舞台スキルが高くて舞台としての出来が良い!という意味で使われがちです。
組替えをしたどなただったかが「星組はとりあえずやっちゃえ系」と評したように、舞台表現に丁寧さや緻密さよりも勢いやパッションを重んじた結果、ノリはいいけど個々のスキルはちょっとね……みたいな舞台が「星組らしい舞台」だったのです。
一時期、路線に乗せられる生徒のほとんどが音痴だったせいもある……。
(人によってはそれにダンス音痴や芝居音痴まで加わったりして……見た目はキレイなんだけどねぇ)

で、このロクモ。
まさに「星組じゃないみたい」な星組公演でした。

うっっっま!!!

トップもトップ娘役も脇もみんな歌がうまい!
芝居ができる!
バリバリに踊れる!

フレンチミューなので基本は歌&ダンス、ストーリーはオマケ程度みたいなところはありますが、どの場面も魅せてくれるんです。

元々歌とダンスに定評があったこっちゃん、演技力もつけてきた。
嘆く場面も悲しみの場面も心を打つし、女の子にデレてる軽さも飄々と演じる。

こっちゃんとトップコンビを組むことになった、花組出身のひっとんも首席入団の実力者。
歌や芝居も学年(研4)を考えたら立派なもの。

なによりもダンス力がすごい。1幕終わりのバラの踊りはひっとんならではの場面でしょう。
元のフレンチミューを見ていないんですが、どうやらコンスタンツェの場面ではなかったとか……?
あの場面にコンスタンツェとして出る意味はあるのか?と(舞台の整合性として)考えてしまうんですが、それでもすごいものを見せてもらえたことには感謝しかないです。

月組『グランドホテル』の、男爵が亡くなる場面でのちゃぴのダンスを思い出しました。

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