『La Vie』感想・1
「Theatre de Yuhi Vol.1『La Vie-彼女が描く、絵の世界』」大阪公演初日である8月22日19時公演を観てきました。
とても良い公演でした。
演技者としてのゆうひさんを、特に対象との距離の取り方を考えさせられました。
画家タマラ・ド・レンピッカを演じるゆうひさんは、いわゆる憑依系の役者ではない。
演技でもってタマラ・ド・レンピッカを成り立たせている。
役を自分に近づけるのではなく、きちんと「皮」をかぶっている。タマラという「皮」を。
それが「皮」であるからこそ、冷静に、ゆうひさんが演じる役を観客にどう伝えたいか、どう見えるかという観客の視線を常に念頭においたものになる。
演じる側と観客の視線が一致はしないまでもかなり近い位置にある。
けして観客を置いてけぼりにはしない。
演者の自己満足に陥らない。
クレバーだな、と思いました。
「女優」ゆうひさんはとてものびのびと、そして生き生きとしていました。
声も出しやすいのか、歌も男役時代より聞きやすい。
年老いたタマラがインタビュアーに自分の人生を語るという形で物語は進んでいくんですが、老女も若き日もどちらも自在な演技。
美しく、誇り高く、知性があり、性的にも世間の枠からも自由な女性。
(女性の恋人がいた話はぶっとんだー)
珠洲さん演じるラファエラとのダンスには崇高な美しさがありました。
タマラの愛する「芸術」「美」への視線が見えました。
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