『鳳凰伝』感想・2

月組

月組全国ツアー『鳳凰伝』-カラフとトゥーランドット-の梅芸初日と梅芸楽(11月17日(金)15時30分と19日16時30分)の回を観てきました。

ちゃぴさんのトゥーランドット、めっちゃ楽しかったっっ。

『TAKATAZUKA花詩集100!!』みたいなすごい衣装で登場。裾持ち、お疲れさまです。
いやー、開演から何分出てこなかったんだ?とか思ってたらめっちゃ大変そうな歌が始まる。
「聞け、北京の民よ」で始まる歌で祖先の王女ローウ・リン姫の悲劇を歌い、トゥーランドットが異国の王子たちの首をとるために戦っていることが示される。
「忘れられようか」ってあなたその頃生まれてないじゃん――とついツッコミを入れてしまったが、祖先の屈辱は我が身の屈辱、世にある身は自分一人のものではなく一族のものであり国のものでもある、つまり現代の感覚でとらえてはならないのかもしれない。

話は少々逸れましたが、ここでのちゃぴの歌がいい。
歌い方も今までの芝居歌とは違っていて(オペラ的なのかな?)、求められる音域も広いような。
お見事と言いたくなりました。

歌い進むにつれてちゃんと美女に見えてくるのもすごい。
迫力のなせるわざだな。

謎かけの場面。
このなぞなぞがわかるよーなわからんよーななぞなぞですが(他に答えないんかい?としばし考えてしまうような)、それはさておきちゃぴさんの表情の変化が見もの。
冷たい氷の姫の様相から、うろたえるさま、勝ちを確信して意地悪く笑ったり、高笑いしたり、正解を言い当てられて動揺したり――。歯をむくような表情にも凄味があります。邪悪で。
くそう、この場面のたまちゃんカラフも、まゆぽん父王も、舞台全体の様子も見たいんだよ! 目が足りないんだよ!
うぐぐ……となりつつちゃぴさんから目を離せない。

カラフが全問正解しての狼狽ぶりもすごかった。
「嫌だ!!」と叫ぶ声の悲痛さにもまた迫力がある。

カラフを演じるたまちゃんがフェアリー感薄めの生々しい色気のある男役で、そんな彼が堂々たる体躯を全国にお披露目行脚するがごとき衣装でズドンと存在してくれるもので、「生娘にあの雄々しさは怖いよなー」と妙に納得してしまいました。

生物として絶対に勝てない感がすごい。物理的に力で対抗できない。
ペルシャ王子くらいなら手の平でコロコロできそうな感じがあるけど、たまちゃんカラフとか絶対に無理じゃん……そんなのが肉体的な有利さのみならず知力までもって迫ってくるんですよ。
しかもお父さんまで「息子!」とか言ってウェルカム態勢だし。
こっち(トゥーランドット)はプライド傷つけられたり乙女の危機だったりでいっぱいいっぱいだというのに!
えっと、前門の虎後門の狼?(たぶん違う)

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Posted by hanazononiyukigamau