戦後「おとめ」
池田文庫に戦後すぐの『宝塚おとめ』もあったので見せてもらいました。
●戦前の昭和15年度版からは少し飛んで、昭和22年度版。
定価四拾圓。
ここから表記は「寶塚おとめ」になります。戦前は横書きが右から左へでしたが、今と同じく左から右へと描かれています。
表紙イラストは娘役の顔。サインが入っていますが、どなたの筆になるものか私にはわかりません。
背景が赤でモダンな印象です。
・広告が明るいです。
化粧品が多く、「今アメリカで流行の尖端を行く 基礎化粧料!!」などと。
ちょっと前までは「銃後女性」云々言っていたというのに。
・まず思ったのは「薄い」。
雑誌の厚みがないんです。
最初に生徒一覧がありますが、専科生6名、花組生38名、月組生29名、雪組生35名。
戦争で散り散りになったためでしょうか。
なお、研究科一年A組は32名、B組は31名を擁しています。
組の並び順が今と同じになりましたね。
・各組生徒さんの写真と名前だけの簡素な作りです。
どなたが組長かも記されていませんが、通常最上級生が務めると思えば、最初に出ておられる生徒さんがそれなのでしょう。
・着物と洋装の割合は半々くらい。
各組上級生と研究科一年に比較的着物が多いでしょうか。
●1948年度版。(表記が元号から西暦になりました。1948年=昭和23年)
定価百弐拾圓。前年度の3倍です。
表紙は娘役の顔のイラスト。
生徒数が増えました。
専科生3名、花組生76名、月組生75名、雪組生75名。
前年度の研究科一年生が配属されたためでしょうか。
なお、この号に研究科一年生の記載はありません。
・各組生徒の写真と名前の記載方法は前年度分に同じ。
・巻末に「タカラヅカ プチ デイクシヨナリー」と題したコーナーが設けられました。
現在の『宝塚おとめ』のプロフィール部分のみをまとめたものです。
が、内容は少々違います。
1誕生日 2出生地 3出身校 4身長 5趣味 6初舞台 7好きだった役 8演りたい役 9好きな花 10好きな色 11ごひいきの俳優 12好きなもの 13藝名の由来 14親友 15尊敬する上級生
今でも14・15があったら、ヅカファンが萌え転がったり、一喜一憂したりするはめになるのでしょう。
4身長は、昔のことですので「尺・寸・分」で記されます。
「五尺」(天津乙女さん、深緑夏子さん)、「五尺一寸四分」(冨士野高嶺さん)のように。
尺貫法に慣れていない身には、それが大きいのかどうかも即座にはピンときません。
計算すればわかるけれど、平均身長だって違うしなぁ。
この時代でもサバ読みはあったのでしょうか……。少し気になります。
3出身校は、校名まで記す人もいますが、地名のみ(大阪、尼崎など)の人も結構います。
尋常小学校卒の人もいるためでしょうか。
11ごひいきの俳優には、外国の銀幕スターのお名前がよく見られたように思います。
●1949年度版。
定価百圓。(安くなった)
表紙がタカラジェンヌの写真になりました。
春日野八千代さんかな?と思いますが、自信はありません。
・写真は室内で撮影したものだけでなく、屋外で撮ったオフショット風なものもあります。
・星組が復活しました。
・巻末の「タカラヅカ プチ デイクシヨナリー」、内容が変わりました。
1誕生日 2出生地 3出身校 4身長 5趣味 6初舞台 7好きだった役 8演りたい役 9好きな花 10好きな色 11好きな食物 12藝名の由来 13愛称
1誕生日はもちろん月日のみです。生年は書きません。
ほぼ現在のと同じですね。
●時間がなくて、細かい内容までは読み切れませんでした、
次の機会に……と思いますが、今月27日までは館内工事のため休館です。
とても楽しめるところなので、また行きたいです。
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