100周年大運動会・7

大運動会

私は今回、観客であると同時に参加者でもありました。
これから書くのは「椅子取りゲーム」に出たときの話です。

「ダンシング玉入れ」がはじまったところで席を離れて集合場所に向かいました。
玉入れ終了時点に再集合、そのときに来なければ競技参加できないということだったのと、私の席が中ほどだったので(外に出るためにはたくさんの人の前を通らなきゃいけない)、早めに移動することにしたんです。

が、そんなに早々と来ている人はほぼいませんでした。

これだから小心者は……。
(玉入れゆっくり見ればよかった)

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参加者はまずボディチェックを受けます。
といっても両手を広げて金属探知機をかけられるだけ。
ベルトのバックルが鳴りましたが問題なし。
なおアクセサリーや手荷物は禁止です。

そのあとは待機列を作ってひたすら待つ。
そう、待つ。
ひたすら待つ……。

この待ち時間が長いんです。
ダンシング玉入れのあと、大縄跳びとハーフタイム(応援合戦など)が入りますから。
そして進行はタイムスケジュールどおり行っていない……。
きちんと覚えてませんが、このときすでに6時くらいにはなっていたような。
(7時10分に終了はムリなのが確定)

待機場所にモニターはありません。
廊下まで漏れ聞こえる声で状況を推測するだけです。

「大縄跳びやってる」「テルの声だ」「今のはちえ」などとファン同士話し合います。
「椅子取り緊張しますね」「ジェンヌさんと争うことになったらそっこー譲る」「ジェンヌさんに怪我はさせないようにしなくては。私が乗ったらつぶれるよあの人たち」など初対面同士盛り上がります。
「今日はメイク濃いめにしました」とか、組Tシャツを着ていない人には「その服いいですねー」とかも。
あと「絶対7時10分には終わんないよね(笑)」とか。

どの組の応援席かは関係なく話に花が咲きます。

雑談の中で「モニター欲しいよねぇ」などと笑いながら話していたら、案内係の男性が「私たちも進行状況がわからなくて困ってるんです」と苦笑していました。
「110周年のときは廊下にモニターつけといて!」と言ったら頷いてました。
頼むぜ阪急さん。

入口扉付近に移動し、競技の説明がなされました。
曰く、ジェンヌさんはすでに並んでいるので、みなさん適当にジェンヌさんの間に入っていって下さい、と。

扉が開かれ入場します。なんでかサッカー選手になった気分。
円形に整列しているジェンヌの前を通ります。
うおぉ、緊張した。緊張しすぎて誰がいたのかほとんどわからないくらい。

でも途中でヒロさんと目が合って、微笑んでいただいたような気がします。
それだけで「ひやぁぁぁぁ!!!!」状態ですわ。来た甲斐があったと思いました。
美人マダム大好き。
いちおう専科席っぽい感じにしておいたんですが気づいていただけたのでしょうか。

試合開始。
私は早々に敗退しました。
元々「ジェンヌさんと争うことになったら席は譲る」という心づもりではありましたが、そんなことを考える必要はありませんでした。
だってあの人たち本気だもの。
そして私は運動音痴である。元々のポテンシャルが違いすぎる。

この競技には音校生(たぶん予科生)も参加。
予科生は「人前で笑っちゃいけない」ルールをこの大運動会でも徹底していて、競技場でもほぼ無表情、動き方も「予科走り」とでも呼びたいような独特な走り方。
それなのに、すばしっこいんですよ。
無表情でシュタタタタタと椅子を取っている姿はシュールな気さえする。
伊達に日々鍛えてないわ、そもそも優れた運動神経の持ち主の集まりだもんねと感動しました。

敗退したジェンヌさんは組の生徒席に戻りますが、一般参加者は星組生徒席の前に集められます。
後ろにいる星組生の迫力がすごかったです。
目の前に座っている一般参加者なんて全く目に入ってなかったな、あの人たち。

右手後方には雪組生徒席。
ヒメさまがものすごい形相で応援していらっしゃいました。全力で前のめりだった。

ひーこ(たぶん)がくるくる回りながら生徒席に戻ってくるのが見えました。
得した気分。

椅子取りゲームは「椅子奪りゲーム」の様相でした。
みんな椅子を手で取ろうとする。
そして持ち上げて確保する。
このやり方は某組トップ様によって10年前に確立されたのだろうか……。

1人が取っても、そのあとからガンガンぶつかっていくジェンヌさんたち。
恐ろしい。血を見ないのが不思議。
あまりのパワープレイに椅子の脚がゆがんでいるものもありました。
椅子取りゲームは点数にならないのに、マジなあの方たちには関係ないんですね。

残り10名程度になったとき、司会者から「花組の娘役がたくさん残っています」とアナウンスされました。
オペラグラスもなかったので私のところからは誰が残っていたのかわかりませんでしたが、たしかにピンクのリボンが何人かいました。
可愛くてもハンターなんだなぁ。というか、花とフリルの下にキバを隠しているのが宝塚の娘役か。と妙に納得しました。

ジェンヌさんが残り3人となったところで1人ずつ自己紹介。
花の朝月さん、雪の花瑛さん、月の翔我くんだったはず。
えーちゃんは「花組の花瑛ちほです」と力強く間違えてましたね。雪組生徒席がざわざわしてました。

最後は、椅子に最初に手が触れた翔我くんが勝利。
じゃんけんではなくジャッジによる判断です。まっとうだと思う。

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退出後、参加賞として記念品をもらいました。
大きな運動会バッグとピンバッジ。
値札ついたまま(笑)。

他の人がどうだったか知りませんが、私がもらったのは月組のピンバッジでした。

記念すべき年にマニアックなものに参加出来て満足です。
死ぬまで自慢しようと思います。
勝ったわけでもないのに。

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