『凱旋門』新公感想・2

2021-02-11雪組公演感想,雪組

●出番自体はそう長くないものの、鮮烈な印象を残したのはひまりちゃん。

ガン患者の貴婦人ケート・ヘグシュトレーム(本役はあゆみちゃん)。
あまりに上手くて「きみ誰ぇぇぇぇぇぇ!!!???」と心の中で叫びました。
いや、いいかげんひまりちゃんのお顔を覚えなさいよって話ですが。

ビジュアルが美しいだけでなく、佇まいからなにから素晴らしかった。
ラヴィックから紹介状を渡されたときの不安げな表情、落ち着いた中にも抑揚のあるセリフ回し、気品、去り際のきれいさ。
絶品でした。

●新公2番手のあやなちゃんはさすが。
最初に出てきたときから存在感と落ち着きがありました。

私、『凱旋門』は本公演も新公も、ラヴィックよりボリス・モロゾフのほうが面白い役に見えるのですよね。
狂言回しのようなポジションで、物語からは少し退いた位置にいるにも関わらず、とてもいい役に見える。
なぜ面白い役だと思えるのかについてまだきちんと考えが固まってはいないのですが、少なくとも演者の力量は無視できません。
あやなちゃん、ほんと芝居できるお人やわー。

課題といわれる歌もよかったです。
耳音痴なので音程が外れてたかどうかはわからないのですが、芝居歌として充分でした。

終演後は新公の長としてしっかりご挨拶をして、新公主演の縣くんを見守る視線に温かみがあって素敵でした。

●美穂姐の役・フランソワーズ役に配されたゆめくんもよかったです。
存分に歌って、客席に美声を響かせました。
男役向きとはいえない特徴的な丸顔も、女役ならしっくりくるし。
(とはいえ、仮に転向したとして路線に乗りそうな顔や雰囲気ではないんだけど)

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