宙組東京宝塚劇場公演『Razzle Dazzle(ラズル ダズル)』新人公演をライブ配信で見ました。
大劇場で新人公演を観ているのですが、見れるものなら東京のも見たいんですよね。宝塚歌劇のオタクだから。
トニー・デイヴィス/ナオレート
特筆すべきは、まずナオレート氏のスター性のすごさですね。
アメリカの堂々たるスター俳優に見えました。
目鼻立ちのはっきりした顔だちも陰翳のある表情も魅力的。
演技でとても大きく見えるので、ほかの人との並びで長身でないのが意外でした。
大劇場のときもスター性が評判になりましたが、配信で見た東京新公ではさらに大きくなったような。
ムラでは泥水すすって這い上がってきた過去があってほしい感じのスターだったけど(スカピンのショーヴラン的な)、東京ではそこまでじゃないけど孤児で映画会社に拾われた設定とか養子や里子になってる設定とかありそうでした。
こういう妄想を呼び覚ます系のスターなのかな。舞台姿に雰囲気があるから、観客が奥行きを勝手に感じてしまう。……強いな。
歌は課題といえば課題だけどそこまでひどくない……というか、ほかの部分(ビジュアルなり演技なり)でカバーできるレベルかと。
リハーサルでエキストラのミッキーに花吹雪を撒け、と指示する姿も威厳と華がある。
ナオレート氏のファーストインプレッションは『ネバセイ』冒頭で子孫として登場した子だから、抜擢自体は早い。
でもそれに応えられるのはすごいことだ。
与えられた役が合う/合わないの運があるにせよ、そういう役を引き当てる運も実力のうち。
しかも役が「スター俳優」って、ふつうの若手には荷が重い役ですよ。
次は新人公演主演を期待してしまう。
ドロシー・レイン/こまち
ヒロインのこまちも大輪の華の雰囲気がある娘役ですね。
立っていてヒロインだとわかるの、大事。
この美しさならハリウッドで抜擢されてもむべなるかな。
トニーのさしがねだけじゃないとわかるから、周囲も大事にしてくれるのでしょう。
大柄なので、長身の男役さんと組めるといいなぁ。
主演の成くんに近づくときは渾身誠意の膝折、腰折のワザを見せました。
序盤の銀橋の歌は音程的にはわからないけど、芝居としての上手さがあってよかった。
田舎者ゆえの舞い上がり方も世慣れていないところも可愛い。
ちゃんとカンザスの田舎から出てきた美貌の女の子、なんだよね。
恋したレイモンドの賭けの対象にされていたとわかったときの健気さも心に残る演技でした。
新公ご挨拶
新公の長はしんしん(嵐乃くん)。
そうだった。宙組生は、学年のわりにこの子たち経験値が低いんだった……と思い出させてくれました。
娘役さんが亡くなった影響で舞台に立てない期間も長く、新人公演どころじゃなかったものね。
新人公演に対する思いに、今後、彼女らを育てる糧となる機会が喪われないことを願う。
そして新人公演主演のあいさつはもちろん成くん。
1期上である104期生への感謝として「奔放な私たちを見守ってくださって」と。
そうか、奔放なのか宙組105期。
途中であいさつの言葉が出なくなって、それも例を見ないほどの長い空白で手に汗握りました。
どうしても伝えたい言葉があったのでしょうね。
途中でかかった「頑張れ」の声はキキちゃんだったそうですね。
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