『みんな我が子』感想・1

『みんな我が子』新国立劇場初日公演(12月2日19時開演)を観てきました。

作品から受けたものが重くて、衝撃が大きくて、まともに言語化できそうにありません。
すごくすごくすごく怖くて、すごくすごくすごく面白かった、ということだけはあらかじめお伝えしておきます。
「芝居」や「作品」をがっつり観たという気持ちになれます。

主な登場人物は4人。
父親・ジョー
母親・ケイト(ターコさん)
息子(兄)・クリス
息子の恋人・アン(コムちゃん)

帰ってこない息子(弟)・ラリーが話題の中心にいますが、彼は出てきません。

上記のほかに、アンの兄や、町に暮らす隣人たちが出てきます。

戦争が終わっても帰ってこない息子・ラリー(クリスの弟)を「必ず帰ってくる」と信じる母親・ケイト。
亡くなっていることを感じつつも信じたくはないから執拗に「生きている」と誰しもに認めさせたがる。
ラリーが飛行機で飛び去ってから彼女の時間は止まっている。

クリスが弟の恋人だった娘・アンと結婚したいと言い出す。
クリスとアンは元々幼なじみだ。アンは戦後地元を離れているが同じ町に住んでいたのだ。
しかし母親は頑なにそれを認めない。
弟が帰ってきたらどうするの、あなたは弟の恋人なのに、と。

アンの父親は人殺しと呼ばれ、服役中だ。
戦時中にクリスの父親が経営している工場から出荷された飛行機部品の欠陥がその理由だ。
クリスの父親・ジョーもまた人殺しと呼ばれたが、元の町に暮らし、ひとかどの人物として扱われている。

欠陥品を用いて作られた飛行機は墜落し11人が亡くなった。
ジョーはアンの父親のしたことだという。

戦争が終わっても帰ってこない息子・ラリーは欠陥品の飛行機に乗ってはいなかった。
なぜ帰ってこないのか。
ラリーはどうなったのか。

見応えがある舞台だった。

役者たちの声と息づかい。そして台詞の持つ力。
それらに引き込まれて、ひとときたりとも目を離せない。

脚本もいい。
セリフの応酬で明かされていく人間関係や物語の謎や彼らの語る嘘、登場人物の人間像があらわれていくさまが非常にスリリングで食い入るようにみてしまった。

そして、人間について考える。
「人生」とは。
「善」とは。
なにかをなすとき、欺瞞を用いていないか。
アメリカの戦後すぐを舞台に設定しているけれども、普遍的なものが木の幹のように横たわる。

明るい話ではないし、集中力を要するので1日でダブルするにはきっと辛いけれどものすごく楽しかった。
「楽しい」という表現は似つかわしくないかもしれないけれど、本当に楽しかったんだ。

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