『激情』感想・4
●『激情』はポスターよりもプログラム表紙よりも、中に使われている2人の立ち姿の写真が一番いいような。
これがポスターだったらよかったのになぁ。
●作家プロスペル・メリメ役にカチャ。
「大人になったなぁ……」としみじみした。
細くて小顔で声も独特で、少年役以外に似合う役があるだろうか?と宙組時代思っていたのに。
積み重ねた歳月を感じました。
・もうひとつの役、カルメンの夫・ガルシアは――残念ながらちょっと違うなぁ、と。
本人の演技云々ではなく、体格的なもののハンデが大きい。
だって、たまきちホセに腕一本で締められそうなんだもの。
ジプシーたちのボスとして周りから恐れられているのがピンときませんでした。
●カルメンのダンスのときの、すーちゃんとなっつの歌がいいです。
フラメンコは若くて可愛い子よりも、年齢を重ねた女性の味が出ているほうがいいと聞いたことがあるけれど、ほんとそうだよなぁ、と。
・この場面は、カルメンににやけきってるザワさんも見もの。
●そういや芝居の序盤でナガさんがちゃぴをリフトしてるのにどきどきしました。
フェアリーに年齢はないとはいえ、大丈夫っすか?!
●とし×ちゅーのジプシーカップル好きだわ。
ちゅーちゃんみたいな婀娜っぽい美女が相手だったらそりゃ「あまり本気でやるなよ」と釘もさしたくなるわ。
●まんちゃん、ファニートと運命の精の早がわりお疲れさまっす……。
(と思ってたら休演で残念ですが、そろそろ復帰できるでしょうか?)
●エスカミリオの闘牛を見に行くときのカルメンの扇、でかっっ。
●カルメンがホセを籠絡する縄のダンスと歌がよかったです。
一瞬「あ~れ~ ご無体な」「よいではないか」的なものがよぎりましたが、基本的に男女逆だしね。
ホセの「あのあたりに工場はないはずだが」(セリフうろおぼえ)の、本当に疑ってない感じがすごく好き。
なんてピュアなの。
・たまきちのホセは1ヶ月、バラを大切にしそう。
・そんなホセが嫉妬を覚えて変化し、カルメンに「以前は見返りを求めたりしなかった」となじられるようになる。
ここは胸を突かれた。
ホセの気持ちもわからなくはないんだけど、カルメンの言い分にほんとそうだよなぁと思って。
・「一緒にアメリカに行って最初からやり直そう」的なことを言いだすのには「このおバカ―――!!」と言いたくなりましたよ。
ほんとわかってない……ていうか、わかりあえないんだよなぁ。
たまきちのホセなら確かに本気で「アメリカ行こう」って言いそうだし(後ろにコーン畑が見えた。あるいは自動車工場)、カルメンがそれに全力で否を言うのもわかる。従属が本気でムリだし嫌悪している。
ホセ自体は悪い人じゃないんだけど、無理なもんは無理。
カルメンの「自分は亭主だからって妻は従えっていうの」的なセリフには「あー、あるあるあるある」とうなずきたくなりましたよ。(結婚したことないけど)
設定された地域も時代も現代日本じゃないのに、なんか「あるあるあるある」的な部分がすごかったんですよ。
普遍性があるというか、まぁ人間分かりあえることばっかりじゃないよなぁ。
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