『激情』感想・3
『激情』を梅芸で観てから、何度も何度も脳内で反芻しています。
「誰かに 誰かに 魅せられて 誰かを 誰かを 求めてる 幸せだ」
本当にね。
本当に幸せだよ、私も。
たまきちホセが営倉で歌う幸せそうな顔が忘れられません。
思わず富山のチケットを追加しました。
ダブル観劇はしない予定だったのに、くそう。やるわね、たまちゃん。
――たまきちは、はっきりいって美青年系男役ではないし美少年系でもない。
かっこよすぎない。
体格には恵まれているけれど、顔はまぁ普通の部類だろう。(あ、ジェンヌという枠での話)
宝塚の男役はなんせ元が女性であるからフェアリー度が高くて、「現実にこんな男いるかー!!」なのが基本です。
みりおとかゆーひさんとかテルとかまさおとか(今てきとうに思いついた順)。
少女漫画だったり2.5次元ナントカだったり的な、現実離れした存在感とビジュアルです。
だが、たまきちなら。いるかもしれない。
良くも悪くも現実世界に近い男性像。
かっこよすぎなくて、ほどよい体温が感じられて。
たまきちは路線真ん中で育てられたけれどまだ研9になったばかり。
本公演でも大事なところを担ってきたし、新公主演もバウ主演も経験したことがあるけれど、それでも組を代表して全国を回るというのは特別なことのはずだ。
先ごろようやく正2番手の位置についたと思いきや、もう「次期月組トップスター」の看板を背負っている。
いっぱいいっぱいにならないはずがない。
この「精一杯やってます」感が、ホセの若さや情熱、誠実さ、生真面目さとうまくマッチした。
たまきちの現実にいそうな男っぽさとあわせて、一生懸命な姿がかわいくて愛おしい。
「かわいい」なんて言われるタイプの男役じゃないのになぁ。
たまきちにゾクゾクしたりはしない。(今のところ、私は)
「かっこいいー……」とため息をついたりはしない。
けれど、しみじみと「よかった」と思ったし、いい子やなぁと思ったし、素直にトップ頑張れと思った舞台だった。
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