『激情』感想・2

『激情』は出演者の演技も素晴らしかったのですが、まずは作品がいい。
脚本・演出のレベルが高い。
一見同じようなファム・ファタル物ですが、『舞音』とはまるで違います。
(ゆえに『舞音』とはなんだったのかと、今さらながらムカついたりするのですが)

●ジプシーたちが熱いんです。
土のにおいを漂わせてます。

ジプシーたちとセビリアの市民たちの争いの場面がすごい。
この熱さに心浮き立ち、「ああ、月組好きだ……!」と再確認します。
すごくHOMEって感じがするんだよね。

●ちゃぴカルメンの踊りが素晴らしい。
まず、長い。
たっぷりと見せてくれます。

あの長い長い裾を見事にさばいて、フラメンコを堪能させてくれる。
美貌や色香という点ではやや弱いちゃぴですが、このフラメンコによって魅惑的なダンサーであることに説得力が生まれていた。

ダンスによってカルメンというキャラクターに深みが増した。
(『舞音』の蓮の花の踊りは正直なところ意味わかんなかったなぁ……)

●“改心”しないカルメンがいい。いい子ちゃんじゃないところがいい。
間違っても「あなたを怒らせたのなら謝ります」なんて言わない。
愛によってなにかに目覚めたりしない。

愛によって、男によって生まれ変わるというのも一つの面白さではあるんだけれど、自分の人格や全存在をかけて主張し、闘う。
それが気持ちいい。

しょせん私は“犬”側の人間なので、カルメン的な人間が回りにいたら迷惑この上ないんですが、それでも。

ていうか、ホセ然りトート閣下然り、恋により女に屈服させられるドMな男を見るのが宝塚の快感のひとつなのではないかと。

●エスカミリオを倒すホセの演出にぞくぞくしました。

ホセが直接エスカミリオに手を下すわけではないんですが、闘牛によって命を落とすエスカミリオの相手である牛を、舞台上ではホセが演じています。
この演出がかっこよかった。

作品そのものの面白さと、それをきちんと舞台上に息づかせることができる月組生に万歳。

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