花組全ツ版『激情』感想・2

花組公演感想,花組

花組全国ツアー公演『激情』の感想の続き。
梅田芸術劇場で11月19日(日)16:30公演を、金沢歌劇座で11月28日(火)13:30公演と18:00公演を観ています。
あとはライブ配信を見ようかな。

・あかさん演じるエスカミリオは軽さがいい。飄々としてるよね。

カルメンのポーカーのイカサマも気にしてはいない。
カルメンに夢中になって「カルメンってそんなにいい女かな」と周囲に言われるほどでも気にかけない。

私は月組版のありちゃんエスカミリオをベースにして見てしまうのですが、ちょっと執念深そうな感じのありちゃんに対して、あかさんのは執念がまったくといっていいほどなさそう。
カルメンに対しても「ゲーム、俺は好きさ」で求めている感じ。
執念深そうなホセやガルシアとの対比としても、いいですよね。

エスカミリオはカルメンを太陽と評するけれど、ご本人が作品随一の太陽のようでした。
なんか心が救われるわ。

あの空気読まない感じのいきなりのソロも楽しかった(笑)。

エスカミリオは仕事柄各地を転々とし、多くのファンを持ち、誰のものでもない。
死が隣り合わせの生き方をしているから、その時々の情熱に命を燃やしている。だからカルメンとも相性がいいんだろうな。たぶん2人は根っこのところで分かり合えるのでしょう。

・7年半ぶりのカチャのガルシア。とても大きく、重くなったと感じました。
大柄なたまちゃんから線の細いひとこにホセが変わったこともあるのでしょうが、カチャの身から放つ圧が強くなった。
出番は多くないけど存在感がある。底知れぬ怖さもある。

いい2番手ぶりでした。

語り手ポジのメリメは手堅い。
カチャには作家らしい知的な雰囲気がありますよね。

・ほってぃダンカイレはステッキの扱いもガルシアの扱いも上手すぎである。
ときどき見せるステッキくるくるが上手くて満足度高かった。
バトンやってたんでしたっけ。(うろおぼえ)

ダンカイレはいわば中間管理職的なところもあるんだろうけど、仕事できます感がありまくり。
ホセとガルシアの一触即発なご対面シーンでの話の回し方が素晴らしすぎるわ……。視線でホセを制したり、ガルシアの気をうまくそらしたり。
どこの職場でもこんな人ほしいでしょう。

むさくるしいヒゲ姿なのに、それでも宝塚らしい美しさが消えないのはさすがの美貌である。

ところで、ほってぃダンカイレは右耳にだけピアスをしているという情報を得まして。

ほおおおお????

と古の腐った女子としては俄然興味がわいております。
いや、そういう役作りでのピアスかどうかは知らんのだが。
(ていうかすぐそういう方向で脳みそを働かすんじゃない)

・ピカドールの高峰くん、めちゃくちゃかっこよくなってたような。
今回の高峰くんのお顔と髪型が好きすぎるのだけど、ふと月組にいるよね?と思った。れいこちゃんにてらくんが交じった感じ。

・ロマの一員であるみそまるルシオ。

ホセがスニーガを刺したときの演技がいいんですよ。
ルシオはあとから出てきたから状況を把握してなくて、でもわかってからも動揺してない。
ケンカや殺人など悪いことして生きてくのが当然の環境に暮らしてたってわかる。

みそまるは役の生態をつかむのうますぎるよね。
ちゃんとその役ならでは生まれ育ちの環境や知性、経験などが見えて面白い。

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