『FALSTAFF』感想・2
●ロミオ役にあり。
痩せた?
なんかかっこよくなったような。
(『A-EN』のときもこのくらいすっきりしてたらなぁ)
ありロミオは白くて優しそうな王子様。
体格のよさもあって包容力も感じられました。
セリフはときどき何言ってるのかわからないところが……。
セリフ量が多くて走ってしまうところがあり、なにせ古典的なシェイクスピアのセリフなので言葉がむつかしくて観客側の脳内補完もしづらい。
これがエリザなら聞き逃した部分があっても観客の大半は元のセリフを知っているし、現代の言葉で語られているなら雰囲気でなんとなく想像することができる。
和訳であってもちゃんと読んだことがある人は何割いるのだ?なシェイクスピアで、当時のイギリス人には教養の範囲内でも現代日本人にはなじみのない知識・慣習や文化が盛り込まれているので、ありちゃんにもこちらにも大変でした。
序盤ではイングランド王の嫡子・ハリー王子も演じます。
フォルスタッフとともに放蕩三昧だった彼が、父王の死によって生まれ変わるところはよかったです。
フォルスタッフを追放し、立ち去る姿に若いながらも威厳が生まれて見えました。
第2幕はじめのバレエシーンはありのために用意された場面でしょう。
さすがでした。
●ジュリエット役にさくさく。
これまでは研4の娘役ながら貫禄のある舞台姿に「研10と言われても驚かない」という印象を持っていたんですが、そんな彼女が初々しく演じている姿がかえって驚きでした。
女優だなー!!
フレンチミュージカル版のジュリエットは16歳ですが、こちらのジュリエットは14歳の誕生日もまだ迎えていない、つまり13歳です。
そんな彼女が結婚とか……犯罪やんけ……と現代の感覚では思ってしまいますが、当時としてはそんなものなのでしょう。
ちゃんと13歳に見えました。
芝居声も高く作っていて可憐。
芝居と歌はもともと上手い。
シェイクスピアのむつかしいセリフもクリア。
仮面舞踏会でフォルスタッフに迫られての、困惑しながらも清らかにほほえんでいる清楚さと、体をよじりながら「逃げたい……」となっている身体表現がよかったです。
それとバルコニーの場面でのダンスも優雅でとてもきれいでした。
伊達に99期首席じゃないわ。
そんな彼女がフィナーレでカーテンが下りるときにテンション高く手を振っていて「ああ、そういやこういう感じの人だったなぁ」と。
技術のある娘役っていいな、と思いました。
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